プレアルブミン(トランスサイレチン)について
プレアルブミン(PA)またはトランスサイレチン(TTR)は、肝臓で生成され、半減期が約1.9日のため、栄養状態や肝機能の変化を迅速に示す指標です。特に手術前後の栄養管理や、急性肝炎、肝硬変、慢性活動性肝炎などの肝疾患の治療効果の評価に有用であり、新生児や乳児の急性栄養障害の評価にも重要です。PA・TTRはアルブミンよりも早く反応し、栄養不良や吸収不良がある場合には低値を示し、急性の栄養変化を捉えるのに適していますが、炎症や腎不全の影響も受けるため、これらの状態を考慮した使用が推奨されます。
プレアルブミン(トランスサイレチン)の基準値
基準値:22.0~40.0mg/dL
プレアルブミン(トランスサイレチン): 増加
【腎臓】ネフローゼ症候群, 慢性腎臓病
【肝臓】急性肝炎, アルコール性肝炎
【代謝・内分泌】甲状腺機能亢進症
【産婦人科】妊娠後期
【その他】炎症性疾患, 高カロリー輸液
プレアルブミン(トランスサイレチン): 減少
【肝臓】急性肝炎, 慢性肝炎(B型, C型), 非代償性肝硬変, ATTR型アミロイドーシス(家族性アミロイドポリニューロパチー)
【感染症】重症感染症
【消化管】吸収不良症候群
【その他】高カロリー輸液, 血漿蛋白補充, 炎症性疾患, 低栄養状態