循環器

急性・慢性大動脈解離|スタンフォード分類・診断治療フローチャート

急性大動脈解離の診断・治療のフローチャート

スタンフォード分類によって治療方針が異なる。

  • スタンフォードA型:上行大動脈に解離がある
  • スタンフォードB型:上行大動脈に解離がない
2020年ガイドラインの急性大動脈解離の診断・フローチャート。病歴(胸背部痛・分枝血管の虚血症状、既知の大動脈疾患)、身体所見(四肢脈拍触知不良、心雑音聴取、血圧左右差>20mmHg)、血液検査(白血球・CRPの上昇、Dダイマー>0.5μg/mL、アシドーシス)。心電図・新エコー・胸部Xpで急性冠症候群、心嚢水、壁運動、大動脈フラップ、心拡大、胸水をチェック。造影または単純CTで診断し治療適応を判断。
2020 年改訂版大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドラインより一部改変引用

慢性大動脈解離の診断・治療のフローチャート

2020年の慢性大動脈解離の診断・フローチャート。初診3〜6ヶ月後にCT再検。瘤径≧60mmか半年で5mm以上の瘤径拡大のいずれかを満たす場合、侵襲的治療適応を検討。ない場合は、CTで定期フォロー(瘤径<45mm:1
年ごと、瘤径<45〜55:3〜6ヶ月ごと)。

2020年改訂版大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドラインより一部改変引用

慢性大動脈解離の内科的管理

血圧

130/80mmmHg未満を目標(年齢、フレイル、併存疾患を考慮)。

β遮断薬が慢性大動脈解離のイベント発生を抑制する。

ほかの降圧薬の種類はどれがいい、というのがないので併存疾患から選択する。

脂質

併存疾患により目標値を設定する。

  1. 家族性高コレステロール血症、急性冠症候群の既往、糖尿病のいずれかあり:LDLーC<70mg/dL
  2. 上記なく冠動脈疾患のみ:LDLーC<100mg/dL
  3. ①②以外:<120mg/dL

治療薬はスタチンが第一選択。

例)ロスバスタチン2.5mg1T1×夕食後

糖尿病

糖尿病は手術関連で合併症が増えるため糖尿病の一般的な管理を行う。

喫煙

喫煙は動脈硬化促進因子で、高血圧にも関わるため禁煙を強く勧める。

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