虫垂炎の症状
心窩部~臍部の痛みで発症したのち、悪心・嘔吐を伴いながら右下腹部へ痛みが移動する。
発熱を認める。
ただし、心窩部痛や疼痛部位の移動などの自覚はないことも多い。
腹膜刺激徴候をさして、歩いても痛い、などもある。
虫垂炎の身体所見
- McBurney点の圧痛:臍~右上前腸骨棘の外側1/3の点。
- Rovsing徴候:左下腹部の圧迫で右下腹部痛誘発
- psoas sign:右股関節の受動的伸展で疼痛増強
- 腹膜刺激徴候:右下腹部の反跳痛・筋性防御
※虫垂の走行は人により必ずしもMcBurney点に一致しない。特に妊婦では大きく走行が変化しており注意を要する。
虫垂炎の検査・診断
①血液検査
白血球・CRPなど炎症反応の上昇
③Alvarado score
症状・身体所見・血液検査でスコアを計算。
心窩部から右下腹部へ移動する痛み | 1点 |
食思不振 | 1点 |
悪心嘔吐 | 1点 |
右下腹部痛 | 2点 |
反跳痛 | 1点 |
37.3℃以上の発熱 | 1点 |
WBC≧10,000 | 2点 |
白血球の左方移動 | 1点 |
4点以下→虫垂炎の可能性低い
5・6点→否定できず
7点以上→可能性高い
③画像検査
腹部エコー・腹部CTで以下の所見を認める。
- 虫垂短軸径≧6mm
- 虫垂壁厚≧2mm
- 糞石
- 周囲脂肪織濃度上昇
- 周囲の腹水や膿など
虫垂炎の治療
虫垂炎の基本治療は抗菌薬投与と虫垂切除術。
手術は緊急で行われるのが基本だが、最近はinterval appendectomyという待機的な手術も提案されている。
カタル性虫垂炎(軽症):セフメタゾール(セフメタゾン®︎)1~2g1日2回
蜂窩織性・壊疽性虫垂炎(複雑性):ドリペネム(フィニバックス®︎)0.25~1g 1日2~3回