アルブミン(Alb)について
アルブミンは肝臓で合成される分子量約66,000のタンパク質であり、血清総蛋白の約60%を占めます。このタンパク質は膠質浸透圧の維持や多様な物質との結合輸送に重要な役割を果たしています。臨床的には、アルブミンの測定は全身の栄養状態や肝機能障害の評価に利用されます。また、アルブミンの減少は肝障害、炎症性疾患、体外への漏出、栄養不良などによるものであることが示されています。血清アルブミンの濃度は、脱水状態以外では通常上昇しませんが、立位や運動後には高値を示すことがあります。
アルブミン(Alb)の基準値
基準値:3.8~5.2g/dL(BCP改良法)
アルブミン(Alb): 増加
脱水, 血液濃縮
アルブミン(Alb): 減少
【代謝・内分泌】甲状腺機能亢進症
【感染症】各種感染症
【肝臓】肝硬変
【血液】白血病, 悪性リンパ腫, 再生不良性貧血, 多発性骨髄腫, 血液希釈
【膠原病】SLE(全身性エリテマトーデス), 慢性関節リウマチ
【産婦人科】妊婦
【皮膚】熱傷
【総合診療】栄養不良, 先天性無アルブミン血症, 全身性浮腫, 体腔液貯留, 本態性低タンパク血症, 高齢者