気胸の特徴
突然の片側性の胸痛。咳・呼吸困難感などを認める。
COPDの患者や、若年の痩せ型男性に多い。
気胸の診断
①身体診察
SpO2の低下。
胸部聴診で患側のair入り不良(左右差)。
胸部の触診で握雪感を認める。
頸静脈怒張を認める場合は緊張性気胸をきたしている可能性あり。
②胸部Xp
患側の透過性亢進、虚脱部の血管陰影消失などで診断。
縦隔の健側への偏位を認めれば緊張性気胸の可能性が高い。
重症度を判定する。
軽度:肺尖部が鎖骨レベルかそれよりも高い
中等度:軽度と高度の中間
高度:完全虚脱に近い
気胸の治療
①緊張性気胸
第2肋間鎖骨中線上に16Gを挿入してすぐに減圧する。
その後胸腔ドレナージへ移行する。
②軽症
外来でも経過観察が可能。症状や状態によっては入院でもよい。
進行する場合があるので、6~24時間以内と、さらにその翌日に胸部Xpでフォローする。
③中等症以上
入院のうえ胸腔ドレナージが必要。
ドレーンは第4肋間、中~前腋下線に留置する。
1.必要に応じて軽く鎮痛・鎮静を行う。
2.消毒・局所麻酔を行い、メスで皮2cmほど皮膚切開。
3.鉗子で鈍的に剥離していき、胸膜を突破。
4.トロッカーを鉗子で把持して十分に内部に挿入。
5.ロッカーと皮膚を縫合し、ガーゼやテープ類で固定する。