カリウム(K):尿について
カリウム(K)は体内の重要な電解質で、98%が細胞内に存在します。日常の摂取カリウムは約70mEqで、その大部分が腎臓によって排泄されます。カリウムの細胞内外での分布調整と腎臓による排泄は血清カリウム濃度の恒常性を保つために重要です。低カリウム血症は、カリウムの不足や消化管・腎臓からの過剰排泄によって発生し、筋力低下や不整脈を引き起こすことがあります。一方、高カリウム血症は、腎機能障害やカリウムの過剰摂取によるもので、心臓に毒性を及ぼす可能性があります。これらの症状は定期的なモニタリングと適切な管理が必要です。
カリウム(K):尿の基準値
基準値:38~64mEq/日(約1.5〜2.5g/日)
カリウム(K):尿における増加
【腎臓】急性腎不全, 慢性腎不全, 代謝性アシドーシス
【代謝・内分泌】アジソン病, 慢性副腎皮質機能低下症, 21-ヒドロキシラーゼ欠損症, アルドステロン分泌過剰(原発性アルドステロン症), 低レニン性低アルドステロン症
【感染症】発熱
【血液】溶血
【その他】慢性消耗性疾患, 薬剤性(フロセミド, ACE阻害薬, ARB, 鉱質コルチコイド受容体拮抗薬, DRI, NSAIDs, β遮断薬, サイアザイド, エタクリン酸, タクロリムス, シクロスポリン, ヘパリン, トリメトプリム, ペンタミジン, ナファモスタット)
カリウム(K):尿における減少
【消化管】嘔吐, 下痢, 吸収不良症候群
【循環器】腎動脈狭窄
【腎臓】急性腎不全利尿期, 尿細管性アシドーシス
【代謝・内分泌】原発性アルドステロン症, 11β-ヒドロキシラーゼ欠損症, アルカローシス, アジソン病, 低アルドステロン症, 糖尿病性ケトアシドーシス
【その他】周期性四肢麻痺, レニン産生腫瘍, ACTH産生腫瘍, Bartter症候群, Gitelman症候群, Liddle症候群, AME症候群, トルエン中毒, refeeding症候群, 薬剤性(利尿剤, ステロイド, インスリン, 甘草, シスプラチン, アミノグリコシド, アムホテリシンB, β2刺激薬, テオフィリン, G-CSF, アセタゾラミド)