心房細動の症状
動悸や息切れ、倦怠感など様々。
慢性化していると症状を自覚しないことも多い。
心房細動の検査
心電図:
p波が消失しf波(細動波:基線のゆらぎ)があり、RーR間隔が不均一。
心エコー:
経過の長い心房細動では左房が拡大。左房内血栓は経過食道エコーでないと観察困難。
ホルター心電図:
24時間内に発作がないと発見できないので必要あれば繰り返す。
心房細動の対応
電気的除細動
発作開始から明らかに48時間以内の場合か、抗凝固療法を3週間以上継続している場合に施行できる。痛みや恐怖感があるため鎮痛・鎮静を併用すること。低酸素になる場合は酸素投与も行う。
例)フェンタニル1μg/kg 静注
例)ミダゾラム2~5mg 静注
電気的除細動)二層性:200J、単相性360J
抗凝固療法
①僧帽弁狭窄症や人工弁
ワルファリン(INR2.0~3.0)の投与が推奨。
②CHADS2スコア
CHADS2スコアで1点以上でDOACを開始。
心不全 | 1点 |
高血圧 | 1点 |
年齢≧75歳 | 1点 |
糖尿病 | 1点 |
脳梗塞やTIAの既往 | 2点 |
例)アピキサバン(エリキュース®︎)5mg2T2×朝夕食後
レートコントロール(心拍数調節)
心房細動では頻脈になりやすくレートコントロールを行う。
効果が出過ぎると徐脈性心房細動になり失神することもあり、ホルター心電図などでフォローする。
目標心拍数は<110程度でよい。
例)ベラパミル(ワソラン®︎)40mg1T1×発作時~3T3×毎食後
低心機能例では以下を使用。
低心機能例)ジギタリス(ジゴシン®︎)0.25mg 静注
ジギタリスは長期使用に向いておらず、以下で長期コントロールする。
低心機能例)ビソプロロール0.625mg1T1×朝食後
(1~2週間隔をあけて0.625mgずつ増量)
リズムコントロール(薬物的除細動・カテーテルアブレーション)
長期持続性で無症状の症例以外はカテーテルアブレーションを検討するため、カテーテル治療可能施設へ紹介する。
薬物的に発作の再発予防を行う場合は、薬の副作用に注意しながら以下を使用検討する。
自信がない場合は循環器科へコンサルトの上開始が望ましい。
心機能低下なし→経口Naチャネル遮断薬
例)ピルシカイニド(サンリズム®︎)50mg3Cp3×毎食後
心機能低下あり→kチャネル遮断薬
例)アミオダロン(アンカロン®︎)100mg2T2×朝夕食後