低カリウム血症の症状
軽度であれば無症状がほとんど。
脱力、テタニー、嘔気/嘔吐、食欲低下、多飲多尿、耐糖能障害など。
低カリウム血症の心電図
T波の平低化、U波出現、ST低下がみられ、K<2.5mEq/Lでは上室性・心室性不整脈を起こしやすくなる(心疾患ありではもっと軽度の低Kでもおこりやすい)。
低カリウム血症の原因鑑別フローチャート
偽性低K血症(白血球>2万、検体放置)を除外して以下フローチャートで鑑別。
代謝性アルカローシスと低カリウム血症の関係
細胞内外をカリウム(K)が行き来することによって、低K血症と代謝性アルカローシスはお互いに原因・結果になります。
以下の記事では図をもちいてカリウムの動きを解説しています。
低カリウム血症の治療
Mgの補充
低K血症の40~60%は低Mg血症を合併し、低Kの原因にもなるが、血清Mgは正確に反映しないので、高Mg血症でない場合は補充を検討する。
状態が落ち着いている場合はMg製剤の経口補充でよいが、不安定な場合は以下注射を行う。
腎機能低下例では半量で投与するなど注意する。
例)硫酸マグネシウム(マグネゾール®︎)20mL(硫酸Mg2g)+5%ブドウ糖液100mL/30~60分で投与し、その後、硫酸Mg4~8gを21~24時間かけて、血清Mg値が正常化した数日後まで投与する。
経口例)酸化マグネシウム330mg3T3×毎食後(保険適応外。下痢・軟便に注意。)
カリウムの補充
K2.5~3.5で症状や心電図変化がない場合は、経口補充する。
血清Kが上昇し始めた段階から減量していく。
例)グルコン酸カリウム5mEq錠6T3×
上記以外で急ぐ場合は点滴治療する。点滴内カリウム濃度は40mEq/L以下にし、投与速度も20mEq/時以内にする。また、1日総投与量も100mEq以下とする。
例)生食500mL+KCL20mEq/20mL /1時間以上かけて