高カルシウム血症の症状
高Ca血症はCa>10.5mg/dL(低アルブミンでは補正Ca=Ca+(4ーAlb)を使用)。
Ca値=10.5~12:無症状、倦怠感、抑うつ,便秘など
Ca値=12~14:多飲多尿、嘔気、脱力など
Ca>14:傾眠、意識障害、昏睡など
高カルシウム血症の鑑別
※PTHrP:PTH関連蛋白。ATL(成人T細胞白血病)、肺癌、口腔・鼻腔・咽頭癌、腎臓癌、乳癌などで産生することがある。特にATLでは80%ほどと効率に産生。
※異所性PTH産生腫瘍:稀だが腫瘍がPTHを産生することがある。
高カルシウム血症の治療
無症状の場合
原因除去と水分補給を行う。
Ca製剤、ビタミンD製剤やサプリメント、サイアザイド系利尿薬などはリスクとなるので中止する。
水分の多量摂取や、生食点滴を行う。
ループ利尿薬を併用しても良い。
原発性副甲状腺機能亢進症など原疾患が特定できた場合はその治療を行う。
有症状 or Ca>14など高値の場合
原因薬剤の除去は同様。
①輸液+利尿剤
生食500mL点滴+フロセミド20mg静注
尿量みながら調整。
②カルシトニン製剤
例)エルカトニン(エルシトニン®︎)40単位1日2回筋注または1~2時間かけて点滴
※エスケープ現象あり効果は早期に有効性おちる。
③ビスホスホネート製剤
悪性腫瘍に伴う高カルシウム血症に適応。
例)ゾレドロン酸(ゾメタ®︎)4mg15分以上かけて点滴
※再投与する場合は少なくとも1週間以上あけること。
※顎骨壊死リスクあり歯科受診を。
※腎機能低下リスクもあり、高度腎機能障害では使用を避ける。