PMRの特徴
50歳以上で両肩の痛があり、CRP上昇や赤沈の亢進がみられる。
上下肢近位部の筋肉痛やこわばりや発熱も認める。
NSAIDSが効きにくく、ステロイドが有効(第一選択)。
PMRの検査、暫定分類基準(EULAR/ACR 2012年)
●分類基準使用の必須条件:
50歳以上・両肩の痛み・CRPまたは赤沈の上昇
分類基準
エコーなしver. | エコーありver. | |
---|---|---|
45分以上の朝のこわばり | 2 | 2 |
股関節痛または可動域制限 | 1 | 1 |
リウマトイド因子および(または)抗CCP抗体陰性 | 2 | 2 |
肩・股関節以外の関節痛がない | 1 | 1 |
エコー:少なくとも一方の肩関節所見(三角筋下滑液包炎および/または上腕二頭筋の腱鞘髄膜炎および/または肩甲上腕の滑膜炎)および、少なくとも一方の股関節所見(滑膜炎および転子部滑液包炎) | ー | 1 |
エコー:両側の三角筋下滑液包炎または上腕二頭筋の髄鞘滑膜炎または肩甲上腕の滑膜炎 | ー | 1 |
PMR診断の必要合計点 | 4点以上 | 5点以上 |
PMRの合併症:巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)
38度以上の発熱や頭痛、眼症状、顎跛行を伴う場合、巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)を合併している可能性がある。
失明のリスクになるため、専門医に相談すること。
PMRの治療
ステロイドが第一選択。プレドニゾロン(PSL) 12.5~25mg/日で開始。
治療例)
①PSL15mg/日で開始(反応が悪い時は増量)
②4~8週以内にPSL10mg/日に減量。
③4週ごとに0.5~1mgずつ減量。
※症状が再燃した場合は、再燃するまえの量にもどしてしばらく様子をみる。再度減量するときは減量ペースをおとす(1mg減量したなら0.5mgなど)。
※難治性、ステロイドが減らせない、などは専門医へ紹介。
※ステロイド投与期間が長いので、感染症、骨粗鬆症、胃潰瘍予防などの対策を。
・感染症→HBV(HBs抗原陰性でもHBs抗体・HBc抗体まで検査)、HCV(HCV抗体)、結核(胸写、TーSPOT/QFT)など
・骨粗鬆症→ステロイド性骨粗鬆症を参照
・ステロイド単独では胃潰瘍リスク1.1~1.4倍程度。他リスクも考慮しPPIなど予防投与。
・糖尿病などにも注意。