代謝・内分泌

高尿酸血症・痛風|症状・検査/診断・治療

高尿酸血症の定義

 血清尿酸値>7.0mg/dL

※脱水などで一時的に上昇していることもあるので複数回の血液検査で認めること。

尿酸降下薬の適応

以下のいずれかを認める場合に投与を開始する。

①痛風あり、または痛風結節あり

②尿酸値8.0mg/dL以上(尿路結石、腎障害、高血圧、虚血性心疾患、糖尿病、メタボリックシンドロームのいずれかあり)

③尿酸値9.0mg/dL以上(尿路結石、腎障害、高血圧、虚血性心疾患、糖尿病、メタボリックシンドロームなし)

※ただし、痛風発作中に降下薬を開始すると症状悪化するので、発作が落ち着いてから開始すること。

高尿酸血症の生活指導

プリン体の最終代謝物が尿酸。アルコールや果糖はプリン体分解を亢進させ尿酸値を上げる。

※プリン体の多い食品
 レバー、白子、カツオ、えび、干物、肉類など

 ・肥満の改善
 ・プリン体、アルコール、果糖の摂取量をへらす
 ・コーヒー、ビタミンC、乳製品、食物繊維をふやす(痛風発作のリスクを減らす)
 ・有酸素運動

尿酸降下薬

 基本的に尿酸生成抑制薬を使用する。

 尿酸生成抑制薬

  例)アロプリノール100mg1T 1×朝食後

  例)フェブキソスタット(フェブリク®︎)10mg1T1×朝食後

  ※フェブリクは腎機能低下例でも使いやすい

 尿酸排泄促進薬

例)ベンズブロマロン(ユリノーム®︎)25mg1T1×朝食後

例)ベネシッド250mg2T2×朝夕食後

  ※尿酸排泄促進薬は腎臓結石のある症例やeGFR30未満では禁忌 

高尿酸血症の治療目標

 尿酸値5mg/dL以下まで低下させると、蓄積した尿酸を溶解させ,発作予防につながる。

 痛風結節がない、もしくは長期安定していれば6mg/dL以下でコントロールでよい。

痛風発作と痛風結節

 早期治療開始が大原則。

①NSAID

 痛風関節炎に適応があるNSAIDは4種類。

例)ナプロキセン(ナイキサン®︎)100mg 
 初日:9T3×毎食後  1日分
 2日目~:6T 3×毎食後 3~9日間

②コルヒチン

例)コルヒチン0.5mg 
 初日   :まず2T内服し、 1時間後に1錠内服。
 2日目~:1~2錠/日内服。疼痛改善後速やかに中止。

  ※併用注意多数あり
  ※予防投与しているときの発作は、NSAIDかステロイド。

③プレドニゾロン

 NSAIDやコルヒチンが使いにくいときに。

例)プレドニゾロン20~30mg/日を3~5日間

痛風発作の予防

 尿酸降下薬を開始すると発作が起きることがあるため、コルヒチンカバーをしてもよい。

例)コルヒチン0.5~1.0mg/日 3~6ヶ月間

高尿酸血症・痛風に合併する尿路結石

 尿酸結石と、尿路結石の大半を占めるシュウ酸カルシウム結石の予防が重要。

①1日尿量を2,000mL以上確保(2~2.5L程度飲水)

②尿pHを6.0~7.0を維持する

 生活習慣改善でも尿pHが6以下であれば、尿アルカリ化薬を使用。

 例)ウリンメット配合散(ウラリットU配合散®︎)3g3×毎食後

③尿酸降下薬は尿酸生成抑制薬を使用(排泄促進薬は禁忌)。

 アロプリノールやフェブキソスタット(フェブリク®︎)を使用。

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