片頭痛の診断
非拍動性は50%、両側性は40%に認める。90%は40歳までに発症する。
閃輝暗点や視覚消失、感覚症状、言語・運動症状など前兆の病歴も重要。
日常生活、ストレス、気候、疲れ、月経、チョコレート、柑橘類などで増悪する。
POUNDing criteriaがよく用いられる。
以下5つのうち4つ以上で片頭痛(LR24と高い)。3つではLR3.5。
①Pulsatile qualitigy(拍動性)
②duration 4~72hOurs(4~72時間持続)
③Unilateral location(片側性)
④Nausea and vomiting(嘔気、嘔吐)
⑤Dusabling intensity(日常生活困難)
他の頭痛の鑑別についてはこちら。
片頭痛の急性期治療
①アセトアミノフェン・NSAIDs
前兆が起きた時や、頭痛が出始めた時に内服すると効果が出やすい。
1ヶ月に15日以上内服するなどで薬物乱用頭痛が生じるので乱用に注意(早朝に多い)。
例)アセトアミノフェン500mg1T1×頭痛時
例)ロキソプロフェンNa60mg 1T1×頭痛時
②制吐剤
嘔気が強い場合は併用。頭痛にも有用。
例)ナウゼリン(ドンペリドン®︎)10mg1T1×嘔気時
③トリプタンン製剤
中等度以上の痛みではトリプタンを使用。
前兆の時に内服すると前兆が長引く可能性がるので、頭痛が出てから早めに内服。
即効性を期待)リザトリプタン(マクサルトRPD®︎)10mg1T1×頭痛時
持続時間が長い方がいい場合)ナラトリプタン(アマージ®︎)2.5mg1T1×頭痛時
トリプタン製剤は5-HT1B/1D/1F受容体作動薬であり血管収縮作用があるため、虚血性心疾患既往、脳血管障害既往、末梢血管障害既往、コントロール不良な高血圧を有する患者では禁忌。
片頭痛の予防治療
片頭痛の発作が頻回な場合に検討する。
予防効果には数ヶ月かかり、発作をなくすではなく、減らすを目標とする。
保険適応があるのは以下の3剤。
例)ロメリジン(ミグシス®︎)5mg2T2×朝夕食後(カルシウム拮抗薬)
例)バルプロ酸(デパケン)100mg2T2×朝夕食後(抗てんかん薬。妊娠可能性がある場合禁忌)
例)プロプラノロール(インデラル)10mg3T3×毎食後(β遮断薬。マクサルトと併用禁忌。妊娠希望患者には第一選択)
※2021年にCGRP関連モノクローナル抗体が慢性片頭痛の発作予防治療として使用可能となったため、慢性化している症例や、急性期治療薬を頻用する患者は神経内科等に紹介を検討する。(月に1、2回の皮下注射で、薬価は1~数万/回)。