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鉄欠乏性貧血|症状・検査/診断・治療

鉄欠乏性貧血の診断

小球性貧血(MCV<80fL)の鑑別

MCVFeTIBCフェリチン
鉄欠乏性貧血TSAT<20%も鉄欠乏を示す
TSAT(トランスフェリン飽和度)
=血清鉄(μg/dL)/TIBC(μg/dL)×100
二次性貧血↓〜→
サラセミア↓〜→→〜↑目視でtear drop,target cell
鉄芽急性貧血MDSの一部で鉄利用できない

※急性出血では正球性で鉄やフェリチンが低下していない可能性がある。

※鉄欠乏する原因を調べること→婦人科系、消化管疾患など

鉄欠乏性貧血の治療

①原因があればそれぞれ治療する

基本は貧血の原因をしっかり調べて、その治療をすること。

②鉄剤投与

内服投与を基本とする。
便が緑黒色になること、便秘になりやすいことを説明しておくこと。

鉄剤の内服薬には胃酸が必要なため、制酸薬が必要な場合は内服するタイミングをズラすこと。

例)クエン酸第一鉄Na(フェロミア®︎):50mg1T 1×夕食後

鉄剤は嘔気など消化器症状が出やすいため50mgから始め、必要があれば増量する。

 例)インクレミンシロップ®︎:4mL2×朝夕食後

 4mLに24mgの鉄を含有。小児用なので飲みやすい。必要あれば徐々に増量する。

 それでも飲めない場合や、消化管疾患などで投与しにくい場合などは注射。

 例)フェジン40~120mg+10~20%ブドウ糖20mL を2分以上かけて緩徐に注射

 最後の手段はサプリメント。これなら飲める、というのがある人もいる。

③鉄剤をいつまで投与するか

 下記でおおよその投与量を計算する

 総鉄投与量(mg)=[2.72(16ー治療前Hb値g/dL)+17]×体重kg

 Hb値は10日ほどで上昇し始めるが、婦人科疾患など出血が持続する場合は上記計算より多くなる。他にも原因がないかチェックすること。

 Hb、MCV改善後も数ヶ月以上継続できて、フェリチンが20mg/dL以上たまるまで継続する。

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