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急性リンパ性白血病(ALL)|症状・検査/診断・治療

急性リンパ性白血病(ALL)の特徴・症状

 ALLは造血幹細胞から分化したリンパ芽球が腫瘍になった状態。

 血球系・血小板異常による倦怠感、易疲労性、発熱、易出血性などや、中枢神経浸潤により頭痛や意識障害、脳神経障害をきたすことがある。

急性リンパ性白血病(ALL)の診断

末梢血検査

白血球は増加(芽球)~減少と様々だが、Hbと血小板は、Hb<10g/dL、血小板<100,000/μLと低下が多い。

末梢血の有核細胞でリンパ芽球>20%(目視)。

腫瘍崩壊によりLDH、尿酸、Kなどが上昇。特に LDH>1,000U/L。

DICを合併した場合は、Dダイマー・PT-INR上昇などを認める。

骨髄穿刺

末梢血検査で疑わしければ骨髄穿刺を行う。

可能性が高い場合や、腫瘍崩壊症候群・DIC・感染症など合併している場合は骨髄穿刺をするよりも早期に血液内科へコンサルト・転院させること。

以下により診断。

  • 骨髄の有核細胞でリンパ芽球>20%
  • リンパ芽球はミエロペルオキシダーゼ(MPO)染色陰性
  • PAS染色では滴状や帯状

また、ALLの場合は染色体(特にフィラデルフィア(Ph)染色体)や遺伝子検査も行い治療方針を検討する。

急性リンパ性白血病(ALL)の治療法

Ph染色体陰性ALLの寛解導入療法

 ステロイド・クロホスファミド・アントラサイクリン・LPアスパラギナーゼ・ビンクリスチンなどによる多剤併用療法が推奨。

 治療を開始すると、腫瘍崩壊症候群のリスクが高まるため、輸液や高尿酸血症や電解質異常などに注意する。また、易感染性も増すため感染対策を十分行う。

Ph染色体陽性ALLの寛解導入療法

 Ph陽性の場合、チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)を併用して治療する。寛解導入率は高いが再発もしやすいので寛解期に可能であれば同種造血幹細胞移植を行う。

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