肝・胆・膵

膵のう胞・IPMN(膵管内粘液産生腫瘍)の発癌と検査・フォローについて

IPMNの診断

ただの膵嚢胞なのか、発癌リスクが高いIPMNなのかが問題となる。

IPMNは以下のように分類される。

①分枝型IPMN:
5mmを超える膵嚢胞で主膵管と交通するもので考慮。乳頭側の主膵管拡張も主膵管との交通を示唆。

②主膵管型IPMN:
他に原因のない部分的あるいは全体的な5mm以上の主膵管拡張。

③混合型IPMN :
両者の特徴を有するもの。

※主膵管拡張>3mm

※嚢胞が1cm前後と小さい場合は診断が難しいが、頻度は分枝型IPMNが多い。

IPMNと発癌について

IPMNからの発癌には由来癌と併存癌がある。

 由来癌:IPMNが癌化
 併存癌:IPMN以外の膵臓に癌が発生

由来癌よりも併存癌の方がさらに発癌率高く、IMPN以外の部位に注意が必要。

IPMNのフォロー

2017年IPMN国際診療ガイドラインのフォローに関するフローチャートを以下に示す。

(主膵管型・分枝型どちらにも適応)

2017年IPMN国際診療ガイドラインのフォローに関するフローチャート

ただし、 由来癌より発生リスクの高い併存癌は、IPMN自体のサイズなどとの関係性が乏しく、フローチャートだけでは不足している可能性がある。

膵癌はⅠ期からⅣ期まで1年と進行が速いため、いずれの場合でも早期診断のために年2回の検診が望ましいとする意見もある。(フローチャートの分以外にエコーやCAP19−9を半年毎に追加

フォロー期間は5年とするガイドラインもあるが5年以上で発癌する症例も少なくないので5年以上フォローすべき。

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