消化管

胃潰瘍・十二指腸潰瘍|症状・検査/診断・治療

胃・十二指腸潰瘍について

・原因はピロリ菌感染とNSAIDs、低用量アスピリンが多い。

・胃潰瘍は食後、十二指腸潰瘍は空腹時に心窩部痛を生じることが多いが、NSAIDsやアスピリン内服例では痛みが弱くわかりにくいこともある。

・出血性潰瘍の時は吐血、下血(タール便)、ふらつき(貧血)を伴う。

胃・十二指腸潰瘍の検査

・内視鏡検査が第一選択。

・吐血で急ぐ場合以外は、内視鏡検査開始までに可能なら先にエコーをして他疾患も検索しておく。内視鏡後はガスでエコー評価困難になる。エコーでは潰瘍部の壁肥厚を認める。

・筋性防御をともなったり腹痛が強い場合は穿孔を疑いCTまで撮影。

・吐下血例で、内視鏡検査で病変が見つからないときは、十二指腸水平脚からの出血や胆道出血も疑い観察すること。

胃・十二指腸潰瘍の治療

①出血性潰瘍の治療

 内視鏡的止血術でほとんどは止血できるがどうしても止血できない場合は血管塞栓術(IVR)や手術を行う。

②穿孔例

 内視鏡的にクリップで閉鎖できることもあるが、基本的には外科的手術が必要なため外科へ緊急紹介。

③PPI/PーCAB投与

 いずれの潰瘍でもPPIかPーCABを投与する。

 例)ボノプラザン(タケキャブ®︎)20mg1T1×朝食後

 *胃潰瘍では8週間、十二指腸潰瘍では6週間まで。

低用量アスピリンやNSAIDs投与時における胃・十二指腸潰瘍の再発抑制

 例)ボノプラザン(タケキャブ®︎)10mg1T1×朝食後

 例)ラベプラゾールNa(パリエット®︎)10mg1T1×朝食後

ピロリ菌陽性の場合

 再発予防のためにも除菌療法を行うこと。

 一次除菌例)ボノサップ400 1日2回朝夕内服 7日間

※NSAIDs潰瘍の場合で、NSAIDs投与継続のまま除菌治療を行うと胃潰瘍が悪化することがあるため、胃潰瘍治癒後に除菌療法を行うこと。

ピロリ菌についてはコチラも参照。

胃・十二指腸潰瘍のフォロー

 潰瘍が癌によるものの場合があるため、PPI終了時には遅くとも再検し正常な治癒確認をすること。

 潰瘍発見時に生検で良性でも、悪性部を生検できていない場合があるため。

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