胆嚢結石と胆嚢癌
胆嚢結石が胆嚢癌のリスクとする明確なエビデンスはないが、胆嚢癌患者は胆嚢結石を有していることが多く、注意が必要。
無症状の胆嚢結石治療
1年に1回のエコーで経過観察。
ただし、胆石の影響で胆嚢壁評価困難な例や、胆嚢壁肥厚を認める場合は胆嚢摘出術を行う。
有症状の胆嚢結石治療
基本的に胆嚢摘出術を行う。
手術治療を希望しない場合は、適応があれば以下治療も検討できる。
胆石の経口溶解療法
適応:
浮遊結石(直径15mm未満)で、
X線陰性あるいはCT値<60HUのコレステロール結石かつ、
胆嚢機能正常*
方法:
ウルソデオキシコール酸100mg 6T3×毎食後
効果:
完全溶解率24~38%
胆石の体外衝撃波結石砕破術(ESWL)
適応:
単発結石(直径20mm未満)で、
X線陰性純コレステロール結石(CT値<50HU、特徴的US像**)かつ、
胆嚢機能正常*
効果:
ウルソデオキシコール酸との併用で完全消失率87%だが、再発率は高い。
*胆嚢機能正常:
DICーCTを行い、胆嚢が描出されることで判定。
**純コレステロール結石の特徴的US像:
半円形のストロングエコーが後方に向かって徐々に減弱し音響陰影に移行する。
胆嚢摘出術後の合併症
術後に胆汁が出続けるため軟便・下痢になることがあるが、3ヶ月ほどで落ち着くことが多い。
また、胆石発作と思って胆嚢摘出したが実は他の原因での痛みだった場合、症状が残存することがあるので事前に各種検査を行っておくことと、インフォームドコンセントをしておくことが大事。