肩関節周囲炎とは
肩関節周囲炎は凍結肩や五十肩・四十肩といわれる、疼痛、全方向性の拘縮を認める疾患。
肩関節周囲炎は3病期に分類される。
- 炎症期:安静時でも強い痛みがある
- 拘縮期:疼痛は軽減するが拘縮が強い
- 寛解期:拘縮も軽減していく
・20%は両肩で発症する。
・基本的に自然寛解する良性疾患だが、痛みや拘縮が残る場合がある。
肩関節周囲炎の診断
特に、全方向性の拘縮を認めるものは肩関節周囲炎と思われる。
炎症期では関節の腫脹や熱感を認める。
XpやMRIで特記的な所見はないが、腱板断裂など他の疾患を除外する目的で検査する。
肩関節周囲炎の治療
自然寛解する疾患なので保存的にみるが、病期によって対応が異なる。
①炎症期
炎症期は無理に動かすと炎症が強くなるため、除痛・安静がメインとなる。
NSAIDs内服・湿布を使用(NSAIDsが使いにくい場合はアセトアミノフェン)。
NSAIDs例)セレコキシブ(セレコックス®︎)100mg2T 2×朝夕食後
湿布例)ロキソプロフェンNa(ロキソニン®︎)テープ100mg 1日1枚
アセトアミノフェン例)アセトアミノフェン(カロナール)200mg6T 3×毎食後
②拘縮期
上記の薬剤を頓服などにしながら、痛みのない範囲で肩を動かすようにしていく。
③寛解期
積極的に肩関節を動かす。
※痛みが強い場合などは、ステロイド関節内注射により症状軽減・病期短縮が期待できるため整形外科へ紹介する。