総合診療

不明熱・発熱|症状・検査/診断・治療

発熱の鑑別

①緊急度の判断

 ショックなど緊急度が高いときは細かい鑑別より先にバイタル維持・広域抗生剤治療などを開始する。

②発症時期、随伴症状など病歴を聴取

・発症時期(急性・亜急性・慢性)

・症状の経過

・随伴症状(気道、腹部、頭痛、皮膚、関節、尿路などの症状)

・sick contact

・既往歴、薬剤、サプリメント

・海外渡航歴

・ペット、住宅環境

 など

③鑑別

上記問診を参考に診察、検査を行う。


疾患検査
感染症細菌性は局所症状が出やすく、ウイルス性は全身性症状となりやすいが、高齢者は局所症状がはっきりしないこともあり注意を要する(蜂窩織炎や尿路感染症など)。 感染性心内膜炎や肝膿瘍・腸腰筋膿瘍など局所症状がないものもある。血液検査(血液一般、生化学、CRP) 尿検査(一般、沈渣) 胸部Xp 腹部エコー 心エコー(感染性心内膜炎疑い) 各種培養 QFT、TーSPOT 抗TP抗体、RPR HIV抗体検査 他、疑われる疾患に対する検査
膠原病慢性関節リウマチ 成人Still病 血管炎 SLE など抗核抗体 リウマチ因子 PーANCA、CーANCA フェリチン 抗dsDNA抗体
悪性腫瘍各種悪性疾患各種がん検診
その他甲状腺機能亢進症
TSH、FT4

※抗菌薬を投与する場合は血液など必要な培養を積極的に採取すること。

※プロカルシトニン(PCT)は細菌感染の鑑別に有用だが、全体で判断することが必要(陰性:0.5ng/mL未満、境界:0.5~2.0ng/mL、敗血症:2.0ng/mL以上)

古典的不明熱とは

 直腸温38度以上が3週間以上持続し、かつ3回以上の外来か3日間の入院で原因が特定できないもの。

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