脳出血の特徴
必ず頭痛があるわけではない。
見当識障害やマヒ、構音障害、共同偏視、てんかんなど脳神経障害がみられる。
原因は高血圧が最多で、ほかに脳動静脈奇形や透析患者でみられる。
脳出血の診断
CTが最も判断しやすい。
MRIではT2*かSWIで出血病変は低信号(黒)。
脳出血の治療
内科治療
①血圧管理
収縮期血圧140mmHg以下に早期に下げる(下げすぎると脳血流が保てない)。
例)ニカルジピン塩酸塩 注射液
生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液で希釈し、ニカルジピン塩酸塩として0.01~0.02%(1mL当たり0.1~0.2mg)溶液を点滴静注する。0.5μg/kg/分の速度で投与開始し調整。
②抗血栓薬、止血薬
ワルファリン内服中の患者では、ビタミンKを投与。
例)ケイツーN 20mg 緩徐に静注
DOACのダビガトラン(イグザレルト®︎)内服中では
例)イダルシズマブ(プリズバインド®︎)2.5g/50mL
1回5gを点滴静注又は急速静注(点滴静注の場合は1バイアルにつき5~10分かけて投与)
止血薬は投与してもいい。
③抗脳浮腫療法
頭蓋内圧亢進をきたす大きな脳出血に投与を考慮。
例)濃グリセリン(グリセオール®︎)200mL 1日2~3回 1回30~60分
外科治療
手術適応の適応考慮基準は以下。
出血部位 | 手術適応考慮基準 |
被殻 | 血腫量(縦径(cm)×横径×高さ÷2)が31 mL以上 |
皮質下 | 脳表から1cm以下の血腫 |
小脳 | 最大径 3 cm以上 |
視床・脳幹 | 適応なし。脳室出血や水頭症を伴う場合は脳室ドレナージを考慮 |
慢性期
再発予防のため、血圧を130/80mmHg以下を保つ。