・薬剤性は原因薬剤の中止や減量を。
・無痛性・亜急性甲状腺炎は甲状腺機能を測定しつつ経過観察。
抗甲状腺薬にはチアマゾール(メルカゾール®︎:MMI)とプロピルチオウラシル(チウラジール®︎:PTU)がある。
それぞれの注意点は以下。
MMI:妊娠初期で催奇形性の報告
PTU:無顆粒球症
共通(用量依存):嘔気、嘔吐、蕁麻疹、筋肉痛など
例)メルカゾール5mg 3~6T1×朝食後
例)チウラジール50mg 6T3×毎食後
①治療開始後数ヶ月間は2~4週ごとにFT3,FT4,血球,肝胆道系酵素を測定。
(FT4が正常化したらTSHを追加)
②FT4が正常に近づいたら6→3T/日、3→2T/日に減量。
③TSHを基準値内で保つようにコントロールする。
④TSHが数ヶ月維持できていれば徐々に抗甲状腺薬を減量する。
(例:偶数日 2T奇数日1Tや日曜日のみ1Tなど患者に応じて)
⑤TSHが基準値下限に近づく場合は一つ前の投与量に戻して数ヶ月様子をみてから、さらにゆっくり減量する。
⑥1日1Tで6ヶ月以上TSH値が保たれれば隔日投与にする。
⑦隔日1Tで6~12ヶ月以上保たれていて、TRAbが陰性であれば内服中止を検討する(内服期間が長い方が寛解率は高い)。
⑧中止後再発する例も多く、中止後も甲状腺機能をフォローすること。
※実際にはコントロールが難しい症例も多く、観察期間も長いので難しい場合はムリをせずに専門医へ紹介すること。
動悸や振戦:
本態性振戦に適応のあるβブロッカーを使用する。
例)アロチノロール(アルマール®︎)10mg1T1×朝食後
眼球突出:
治療を要する場合は、ステロイドパルスなどが行われるため眼科へ紹介する。
精神症状:
ホルモンが不安定のために不眠症やうつ傾向がみられる。不眠症には睡眠導入剤を一時的にどうにゅうしても良いが、うつ病かどうかの判断は難しく、また抗うつ薬の投与も慎重にすべきである。
食欲亢進・体重減少・下痢など:
下痢に対しては感染性が否定的であれば整腸剤や止痢剤を一時的に使用してもよい。バセドウ病自体が落ち着けば症状も落ち着いてくる。