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腎臓

急性腎障害(AKI)|症状・診断・治療

急性腎障害の概要

急性腎障害(AKI)は、様々な原因により急激に腎機能が低下する症候群である。AKIは、急激な腎機能低下、尿毒症物質の蓄積、電解質異常、体液分布異常、貧血などを引き起こす。

AKIは、腎前性、腎性、腎後性に分類される。

  • 腎前性AKI:腎血流量の低下が原因
  • 腎性AKI:腎臓自体に原因がある
  • 腎後性AKI:尿路閉塞が原因

集中治療室などで発症する腎障害では、軽度の腎機能低下や尿量減少も生命予後に影響するため、早期診断と治療が重要となる。

急性腎障害の疫学

AKIの一般人口における発症頻度は、国や地域、民族、医療設備により異なり、正確な数値を示すことは困難である。

2004~2012年の高所得国における入院患者を対象としたメタ解析では、AKIの発症率は全体で23.2%、成人21.6%、小児33.7%であった。

日本では、2008~2011年に東京の病院に入院した成人患者の11.0%にAKIが発症していたことが報告されている。

急性腎障害の身体所見・症状

AKIは血液検査で偶発的に発見されることが多く、特徴的な訴えは少ない。ただし、原因によっては以下のような症状が現れることがある。

  • 腎前性AKI:悪心・嘔吐、下痢、体重減少、口渇感、脱水症状
  • 急性糸球体腎炎:先行感染後の浮腫、高血圧、肉眼的血尿
  • 急速進行性糸球体腎炎:発熱、関節痛、血痰・呼吸困難感
  • 高齢者では、嘔吐、下痢、食事摂取量の減少、体重減少などが見られる場合がある。

身体診察では、以下の点に注意する。

  • 体液量評価:体重変化、口腔内粘膜乾燥、腋窩乾燥、眼球陥凹、皮膚ツルゴールの低下、CRT(capillary refill time)の延長、浮腫
  • その他:心雑音、皮膚所見、網状皮斑、blue toe

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急性腎障害の検査・診断

診断基準

AKIの診断には、KDIGO(Kidney Disease Improving Global Outcomes)診断基準が国際的に広く用いられている。

KDIGO診断基準:

  • 48時間以内の血清クレアチニン値が0.3mg/dL以上の上昇
  • 7日以内の血清クレアチニン値が基礎値から1.5倍の上昇
  • 尿量0.5mL/kg/時未満が6時間持続

検査項目

AKIの原因鑑別には、以下の検査項目が用いられる。

  • 血液検査:血清クレアチニン(Cr)、血中尿素窒素(BUN)、血清カリウム(K)、血清リン(P)、血清カルシウム(Ca)、ヘモグロビン(Hb)、血液ガス
  • 尿検査:尿定性、尿沈渣、尿中ナトリウム(Na)濃度、尿浸透圧、FENa、FEurea、尿中バイオマーカー(NAG、L-FABP、NGAL)
  • 画像検査:超音波検査、CT

鑑別診断

AKIの原因を腎前性、腎性、腎後性に分けてアプローチする。

  • 腎前性AKI:尿中Na濃度<20mEq/L、FENa<1%、FEUN<35%、尿比重>1.020、尿浸透圧>500mOsm/kgH2O、BUN/Cr比>20が多い。
  • 腎性AKI:尿中Na濃度>40mEq/L、FENa>1%、FEUN>55~65%、尿比重<1.012、尿浸透圧<350mOsm/kgH2O、BUN/Cr比<10~15を呈することが多い。
  • 腎後性AKI:超音波検査・CTで水腎症の有無を確認する。

薬剤性AKIの診断

薬剤性AKIは、以下の2点を満たす場合に診断する。

  • 該当する薬剤の投与後に新たに発症した腎障害
  • 該当薬剤の中止により腎障害の消失、進行の停止を認める

ただし、薬剤ごとに投与から発症までの期間が異なる、複数の被疑薬が存在する、緩徐に発症する、薬剤中止後も腎障害が遷延する、薬剤以外の臨床的誘因が重複して存在する、などの理由で薬剤性かどうかの判断が困難な場合もある。

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急性腎障害の合併症

AKIは、以下の合併症を引き起こす可能性がある。

  • 高カリウム血症
  • 代謝性アシドーシス
  • 肺水腫
  • 尿毒症症状(食欲低下、悪心、心膜炎、意識障害など)

急性腎障害の治療法

AKIの治療は、原因の特定と除去が重要である。

  • 腎前性AKI:輸液、昇圧薬、強心薬
  • 腎後性AKI:尿路閉塞解除のための泌尿器科的処置
  • 薬剤性AKI:被疑薬の減量・中止

薬物療法

AKIに特化した薬物治療は現在のところ存在しない。

利尿薬

体液過剰の是正目的で使用する。

ステロイド

薬剤性間質性腎炎など、アレルギー・免疫学的機序による腎障害で使用を考慮する。

プレドニゾロン(例:プレドニン®)錠 1回4~8錠(0.5~0.8mg/kg) 1日1回 朝食後

炭酸水素ナトリウム

メトトレキサート(MTX)投与時の腎障害予防に、尿のアルカリ化に使用。

炭酸水素ナトリウム(例:メイロン®)注(7%) 1回20mL+1号液500mL 1回150~200mL/時で点滴静注

アセタゾラミド(例:ダイアモックス®)注 1回250mg+生理食塩液 1回20mL 静注 1日2回

腎代替療法

AKIに対する腎代替療法として、血液透析、持続的血液ろ過透析、長時間低効率透析(SLED)が行われる。

以下の状態では、緊急透析が必要となる。

  • 高度の酸塩基平衡異常
  • 電解質異常(特に高カリウム血症による心電図異常)
  • pH 7.2以下の代謝性アシドーシス
  • 利尿薬抵抗性の体液過剰
  • 尿毒症症状(食欲低下、悪心、心膜炎、意識障害など)

薬剤性AKIの治療

薬剤性AKIの治療は、原因薬剤の早期特定と減量・中止が基本である。

  • NSAIDsによる腎障害:NSAIDsの早期中止と補液による腎血流の保持。
  • アミノグリコシド系抗菌薬、バンコマイシンによる腎障害:TDM(therapeutic drug monitoring)による頻回のトラフ測定。
  • ヨード造影剤による腎障害:造影剤使用量を可能な限り少なくし、造影剤使用前後の生理食塩液投与。
    • 処方例:生理食塩液 1.0~3.0mL/kg/時で点滴静注 造影開始1~6時間前より開始し、造影終了後6~12時間を目安に投与
    • 緊急症例では、重炭酸ナトリウム液を造影前1時間より3.0mL/kg/時、終了後6時間は1.0mL/kg/時で点滴静注
  • シスプラチン投与時の腎障害:十分量の補液と利尿薬投与による尿量確保。
    • 処方例:生理食塩液 1回2,000~2,500mL シスプラチン投与前4時間で点滴静注、1回1,000~1,500mL シスプラチン投与後4時間で点滴静注
  • メトトレキサート(MTX)投与時の腎障害:尿のアルカリ化と十分な補液による尿量確保。
  • 血管新生阻害薬投与時の腎障害:尿定性検査のモニタリングを行い、蛋白尿2+以上を認めた場合には、尿蛋白定量を行い、2g/24時間あるいは2g/gCr以上で一時休薬の目安とする。
  • 免疫チェックポイント阻害薬(ICI)投与時の腎障害:Grade 2以上の場合にはICIを一時

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