神経因性膀胱の症状
神経障害の部位により症状が異なる。
上位神経障害(仙髄より中枢)では過活動膀胱を呈し、下位神経障害(仙髄より末梢)では排尿障害を呈する。
排尿障害は膀胱が弛緩し、収縮できないためおきる。膀胱容量が大きくなり、残尿も多くなり、尿路感染症を起こしやすい。膀胱容量がいっぱいになり溢れ出る溢流性尿失禁(いつりゅうせい)がみられ、尿閉になることもある。
※過活動膀胱についてはコチラ。
神経因性膀胱(排尿障害)の治療
①尿道の緊張低下
男性では前立腺肥大症を合併している場合が多く、そちらの治療を先に行なうこと。
女性に使用できるα阻害薬はウラピジルのみ。②に併用すると効果あり。
例)ウラピジル(エブランチル®︎)15mg 2Cp2×朝夕食後
②膀胱収縮促進
膀胱収縮促進作用目的にムスカリン受容体作動薬とコリンエステラーゼ阻害薬が使用される。
いずれも下痢などの副作用がある。
ベタネコールは心・血管系への作用は少ないが、ジスチグミンはコリン作動性クリーゼなどがあり神経因性膀胱では1日5mgまでとされている。
ムスカリン受容体作動薬例)ベタネコール(ベサコリン散5%®︎)30~50g 3~4×
コリンエステラーゼ阻害薬)ジスチグミン(ウブレチド®︎)5mg 1T1×朝食後
③導尿
薬物療法で効果ない場合は自己間欠導尿などを指導したりするが、泌尿器科で行うべきである。