消化管

逆流性食道炎(GERD)|症状・検査/診断・治療

逆流性食道炎の症状・診断

胸焼け、呑酸、胸が詰まるような痛み、のどの違和感、慢性咳嗽などさまざま見られる。

診断は胃カメラで行う。

グレード分類については以下。

M粘膜の色調変化のみ
A5mm未満の粘膜障害
B少なくとも1カ所で長計5mm以上の粘膜障害で、他の粘膜障害とは連続していないもの。
C全周の75%未満の粘膜障害。
D全周の75%以上の粘膜障害。
ロサンゼルス分類

※分類と症状は必ずしも一致しない。

逆流性食道炎の治療

①生活指導

生活習慣の改善がもっとも重要である。

逆流性食道炎は以下の内服治療で一旦改善することが多いが、生活習慣が改善しないと再発することが非常に多い。

<生活で避けるもの>

  1. 腹部の締め付け
  2. 前かがみの姿勢
  3. 右側臥位で寝る
  4. 肥満
  5. 喫煙

<食事で避けるもの>

  1. 食べ過ぎ
  2. 寝る前の食事
  3. 高脂肪食
  4. 甘いもの、チョコレート
  5. アルコール、コーヒー、炭酸

②PPI or P-CABを基本とする。

(例1)タケキャブ 20mg 1T 1×朝食後
通常4週間まで。効果不十分の場合は8週間まで。
再発・再燃を繰り返す場合の維持療法は、1日1回10mg。効果不十分の場合は20mgに増量可能。

(例2)ネキシウム 20mg 1cp 1×朝食後
通常8週間まで。再発・再燃を繰り返す維持療法では1日1回10~20mg。
※懸濁用顆粒がある(胃瘻・経鼻胃管などから注入可能)。

(例3)ラベプラゾールNa 10mg 1T 1×朝食後
通常8週間まで。病状により1日1回20mgを投与可能。
再発・再燃を繰り返す維持療法では1日1回10mg。また、他PPIの維持療法で効果不十分な場合は1日2回10mgを投与可能。

③ ②で効果不十分の場合

生活習慣の改善が最も重要である。以下薬剤の併用は以下を検討する。

(例1)ツムラ六君子湯7.5g3×毎食前

(例2)モサプリドクエン酸塩 5mg 3T3×毎食後

④薬の漸減・中止について

逆流性食道炎は生活習慣病の要因もあるため、生活習慣の改善がなければ容易に再発するため、まずは生活指導を徹底することが重要。

症状の改善が得られた場合は、患者と相談し、以下の方法を検討する。

・薬を一旦終了
・減量して継続
・休薬日をもうける(●曜日は薬を飲まないなど)

終了できるのが一番いいが、患者によっては難しい場合もある。

休薬日の設け方は患者の自信に応じてでよい。飲まない日が続けば中止してもいいし、症状に応じて内服としても良い。

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