間質性肺炎(IP)とは
画像上びまん性に陰影を認めるびまん性肺疾患(DPLD)のうち、間質(肺胞隔壁、小葉間隔壁など)に炎症や線維化を起こす肺疾患を間質性肺炎(IP)といい、その中でも原因を特定できないものを特発性間質性肺炎(IIPs)という。
表1:間質性肺炎の分類 | ||||
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原因あり | 膠原病 | 関節リウマチ、多発性筋炎・皮膚筋炎、全身性強皮症、シェーグレン症候群、混合性結合組織症、ANCA関連血管炎など | ||
職業的要因 | アスベスト、粉塵など | |||
薬剤性 | ||||
過敏性肺炎 | カビ、ダニ、ペット | |||
肉芽種性 | サルコイドーシス | ACE活性高値、血清リゾチーム高値 両側肺門部リンパ節腫脹など |
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その他 | リンパ脈管筋腫症(LAM) ランゲルハンス細胞組織球症など | |||
特発性間質性肺炎 (IIPs) | IIPsの分類 | IIPsの頻度 | ||
慢性 | 特発性肺線維症(IPF) | 52.6% | ||
特発性非特異性間質性肺炎 (特発性NSIP) | 17.2% | |||
喫煙 | 剥離性間質性肺炎(DIP) | 4.8% | ||
呼吸器細気管支炎関連性間質性肺疾患 (RBーILD) | ||||
急性/ 亜急性 | 特発性器質化肺炎(COP) | 9.4% | ||
急性間質性肺炎(AIP) | 1.5% | |||
特発性胸膜肺実質線維弾性症(PPFE) | ||||
特発性リンパ球性間質性肺炎(LIP) |
(Am J Respir Crit Care Med 2013; 188:733-748、厚生科学研究特定疾患対策研究事業びまん性肺疾患研究班平成13年度研究報告書2002;106ー108より改変引用)
びまん性肺疾患の鑑別
IIPsが疑われる場合、治療抵抗性で予後不良な特発性肺線維症を鑑別することが重要。
IPFの診断確定後の平均生存期間は3~5年で、急性増悪後は2ヶ月以内であるため、
びまん性肺疾患が疑われた段階で呼吸器内科へ紹介すべきである。
念の為、以下に鑑別のポイントを掲示する。
①確認ポイント
問診 | 職歴(アスベスト、粉塵) 喫煙歴 基礎疾患 関節痛や皮膚症状 |
身体所見 | fine crackleがおおい 浮腫の有無 皮疹や関節所見 |
検査 | 炎症反応(白血球、CRP、赤沈) LDH マーカー(KL-6、SP-D、SP-A) 抗核抗体や可能性のある各膠原病特異抗体 薬剤性疑いではDLST |
画像検査 | 画像所見は表2参照 |
呼吸機能検査 | 拘束性換気障害 |
表2
UIP pattern | Possible UIP pattern | Inconsistent UIP pattern |
・胸膜直下、肺底部優位 ・網状影 ・蜂巣肺 ・Inconsitent UIP patternの項目なし | ・胸膜直下、肺底部優位 ・網状影 ・Inconsitent UIP patternの項目なし | ・上中肺野優位 ・気管支血管周囲に優位 ・広汎なすりガラス陰影 ・多数の粒状影(両側性ないし上肺野優位) ・嚢胞散在(多発性、両側性、蜂巣肺から離れた領域) ・びまん性モザイクパターン(両側性、3葉以上) ・区域、葉に及ぶコンソリデーション |