過敏性腸症候群(IBS)の治療法の一つとして、食事療法があります。
過敏性腸症候群の症状は人によって異なりますが、通常は下痢、便秘、腹痛、腹部膨満感、おならなどの不快な症状が出ます。
食事療法によって、これらの症状を緩和することができる可能性があるので、ぜひ試してみてください!
食事記録の取得
過敏性腸昌子の食事療法を始める前に、食事記録を作成することが重要です。
食べたものや飲んだもの、症状がどの程度出たかなどを記録しましょう。
調子が何回も悪くなる食事を記録で見つけたら、それを避けることで症状が出るのを抑えられるかもしれません。
食べ合わせや、その時の体調なども影響するので、気になることも一緒に書いておきましょう。
食物繊維の摂取
食物繊維は、腸内環境を改善し、便通を促進するために重要です。
野菜や果物、穀物、海藻などが食物繊維の豊富な食品です。
過敏性腸症候群の患者さんには、特に水溶性食物繊維が有効です。
水溶性食物繊維を含む食品には、オートミール、野菜、果物、豆類などがあります。
食物繊維を継続して摂るのがむずかしいときは、食物繊維のサプリを使ってみるのもアリです。
ただし、大量の食物繊維を一度に摂ると、膨張して腹痛を引き起こすことがあるため、適量を摂取するようにしましょう。
また、調子が非常に悪い時は、食物繊維をとるともっと悪くなることがあります。
そういう時は、食物繊維が少ない食事を心がけましょう。
食物繊維が多い野菜や果物を食べる場合には、よく噛んでから食べるようにすることも、消化が楽になるので大切です。
脂肪の種類に注意
食事に含まれる脂肪の種類によって、IBSの症状に影響が出ることがあります。
特に、飽和脂肪酸とトランス脂肪酸は、IBSの症状を悪化させることがあるため、できるだけ避けるようにしましょう。
代わりに、不飽和脂肪酸を含む食品を選ぶことが望ましいです。
不飽和脂肪酸を含む食品には、魚、ナッツ、種子、オリーブ油などがあります。
乳製品の摂取
乳製品は、消化不良を引き起こす可能性があるため、過敏性腸症候群の人には注意が必要です。
しかし、乳製品を完全に避ける必要はありません。
乳糖不耐症である場合は、ラクトースを含まない乳製品を選択することができます。
また、低脂肪乳製品を選ぶこともおすすめです。
食物アレルギーのチェックを行う
過敏性腸症候群は、食物アレルギーが原因の場合もあります。
そのため、自分がアレルギー反応を起こしやすい食品がある場合には、避けることが必要です。
例えば、乳製品、小麦粉、大豆製品、卵、ナッツ、魚介類などがアレルギーの原因となることがあります。
食物アレルギーを持っている場合には、かかりつけの医師に相談し、アレルギーを起こす食品を避けるようにしましょう。
血液検査で、どの食品に対してアレルギーがあるのかをある程度調べることができます。
保険(3割負担)でできるので、ぜひやってみましょう。
ただ、アレルギーによるお腹の不調は好酸球性胃腸炎という別の病気かもしれませんが、知っている医師はまだ多くないので消化器内科を受診した方がいいでしょう。
水分補給をしっかり行う
水分補給は、腸内環境を整えるためにも大切です。
過敏性腸症候群の場合、水分不足によって便秘や下痢の症状が悪化することがあります。
水分補給は、水以外にも、スープやジュース、お茶などからも摂取することができます。
ただし、糖分の多いジュースや炭酸飲料、アルコールは、摂りすぎると症状を悪化させることがあるので、適量にとどめるようにしましょう。
FODMAP(フォドマップ)制限食とは
一部の研究によれば、FODMAP(低分子炭水化物)制限食が過敏性腸症候群の症状の改善に役立つ場合があることが示されています。
FODMAPは、果糖、ラクトース、ガラクトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、ポリオールなど、消化吸収されにくい炭水化物のグループです。
これらの炭水化物は、小腸を通過する際に水分を引き起こし、腸内細菌が発酵することでガスを生み出す可能性があります。
FODMAP制限食は、FODMAPを含む食品を制限し、症状の軽減に役立つことがあります。
ただし、FODMAP制限食は栄養バランスを崩すことがあるため、医師や栄養士の指導のもとで実施することが重要です。
過敏性腸症候群には気長に付き合おう
過敏性腸症候群は根本的に治すのがむずかしい状態です。
無理のない範囲で継続して食事療法を行いましょう。
たど、ストレスをかかえないことも治療では大切なので、あまり神経質にやりすぎない、ということも覚えておいて下さい。
そして、症状が強い、なかなか治らないなどあれば迷わず病院を受診しましょう。
実は進行した大腸癌だった、、、という方も実際に時々いらっしゃいます。
一度も受診したことがない人は、ぜひ受診してみて下さい。