膀胱炎の症状
発熱を伴わない、頻尿、排尿時痛、残尿感、尿混濁など。
発熱がある場合は、腎盂腎炎や前立腺炎など他疾患を疑う。
膀胱炎の診断
・尿一般:白血球陽性、沈渣で5/HPF以上であれば膿尿→膀胱炎
・泌尿器エコー:男性や女性の難治性症例では複雑性膀胱炎を疑い基礎疾患の検索
・尿培養:膀胱炎は繰り返すことも多く、尿培養・感受性検査を行なっておくと後で役立つ。
※男性:単純性膀胱炎はないので、急性前立腺炎や精巣上体炎でないか、膀胱炎でも前立腺肥大症、前立腺癌など基礎疾患がないかを考える。
膀胱炎の治療
閉経前女性
閉経前はグラム陽性球菌の頻度が高く、第一選択薬はキノロン系。ただし、妊娠の可能性がある場合はBLI配合ペニシリン系かセフェム系を選択。
例)レボフロキサシン(クラビット®︎)500mg1T1× 3日間(男性は7日間)
例)セファクロル(ケフラール)250mg 3T3×毎食後 7日間
閉経後女性
閉経後はグラム陽性球菌の頻度が低く、キノロン耐性とESBL産生の大腸菌が増える。
非ESBL産生菌の場合、
例)セファクロル(ケフラール®︎)250mg 3T3×毎食後 7日間
ESBL産生菌の場合、
例)ホスホマイシン(ホスミシン®︎)3g3×毎食後 2日間
単純性膀胱炎の生活指導
尿を我慢しない、水分摂取量をふやす。尿量をふやすことで膀胱内をきれいに保つイメージをもってもらうこと。
無症状の膀胱炎(慢性膀胱炎)について
抗生剤治療は耐性菌を増やすだけで、効果は何もないので抗生剤投与は行わないこと。
上記指導の徹底や、尿道カテーテル留置の患者ではカテーテル管理の指導など。