カルシウム（Ca）：血清について
カルシウム（Ca）は体内に約1kg存在し、その99%以上が骨や歯に貯蔵されています。血液中のCaは、副甲状腺ホルモン（PTH）、活性型ビタミンD、カルシトニンによって調節され、腸での吸収、骨からのリリース、腎での再吸収を通じて血液Ca濃度が維持されます。血液中Caの約50%はイオン化形態で存在し、残りは主にアルブミンと結合しています。低Ca血症はPTHやビタミンDの異常、腎不全などにより引き起こされ、筋肉や神経の異常興奮などの症状が現れます。一方、高Ca血症はPTHの過剰分泌や腫瘍による骨破壊などが原因で、疲労感や腎機能障害を引き起こすことがあります。これらの状態の診断には、血液および尿中のCa測定が不可欠です。
カルシウム（Ca）：血清の基準値
基準値：8.5～10.2mg/dL
カルシウム（Ca）：血清の増加
【腎臓】急性腎不全, 家族性低カルシウム尿性高カルシウム血症
【代謝・内分泌】Addison病, 原発性副甲状腺機能亢進症, 甲状腺機能亢進症, 褐色細胞腫
【血液】多発性骨髄腫
【感染症】サルコイドーシス
【その他】悪性腫瘍骨転移, 致死性不整脈, 意識障害, 筋麻痺, ビタミンD内服
カルシウム（Ca）：血清の減少
【腎臓】ネフローゼ症候群, 尿毒症, 慢性腎臓病
【代謝・内分泌】ビタミンD欠乏症, 低マグネシウム血症, 副甲状腺機能低下症, 偽性副甲状腺機能低下症, 副甲状腺摘出術後
【消化器】吸収不良症候群, 急性膵炎
【感染症】各種感染症
【その他】腫瘍崩壊症候群, 横紋筋融解症, 低Ca血症性テタニー, SLE, アミロイドーシス
