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消化管

クラミジア直腸炎の診断と治療

クラミジア直腸炎とは

クラミジア直腸炎は、Chlamydia trachomatis (C. trachomatis) による性感染症で、主に肛門性交や感染した腟分泌液による肛門部の汚染によって感染が広がる。

無症状のことも多いが、排便時の出血、粘血便、肛門痛、掻痒感などの症状を有する場合もある。

感染経路は、①肛門性交による直接感染、②腟分泌液による肛門汚染、③性器からのリンパ行性の感染がある。

内視鏡像で、リンパ濾胞炎を反映して特徴的な「イクラ状粘膜」といわれる均一な白色の半球状小隆起が直腸下部に密集し、発赤等の炎症所見を伴うこともある。

直腸擦過検体のPCR法や抗原検査を用いてC. trachomatis の存在診断行う。

治療にはマクロライド系やテトラサイクリン系の抗菌薬が用いられる。

クラミジア直腸炎の症状

クラミジア直腸炎は無症状であることが多いが、以下の症状が現れることがある。

また、同時に尿道炎や結膜炎など、他の感染部位でも症状が見られることがある。

  • 血便(便潜血で気づかれることもある)
  • 下痢
  • 腹痛
  • 肛門の違和感・掻痒感・痛み

クラミジア直腸炎の検査・診断

内視鏡所見

クラミジア直腸炎では「イクラ状粘膜」と呼ばれる典型的な内視鏡像を呈することが多い(下部直腸)。

これは、直腸粘膜に現れる均一な白色調の半球状小隆起が集簇している所見で、リンパ濾胞を反映している。

また、直腸粘膜に発赤や易出血性、びらん、アフタなどの炎症所見を伴う。

診断法

クラミジアの存在診断には核酸増幅法が最も感度・特異度が高く、推奨されるが直腸に対しての保険適応がないため他の検査法についても列記しておく。

いずれもスワブを用いて直腸粘膜を擦過して倦怠採取する。

  • 分離培養法:感度は高いが判定に時間がかかる。
  • 抗体検査法:感染時期の判定が困難なため推奨されていない。
  • 抗原検査法:比較的簡便であるため使用されるが、感度は核酸増幅法に劣る。
  • 核酸増幅法(NAAT):最も一般的に使用され、感度・特異度が高いが、直腸病変に対する保険適用がない。

クラミジア直腸炎の治療

クラミジア直腸炎の治療は、クラミジアの除菌、臨床症状の改善・消失、性的パートナーや新生児への感染予防を目的に、性器クラミジア感染症の治療に準じて行う。

抗菌薬

以下のいずれかの薬剤を投与する。

コンプライアンスの面から、アジスロマイシンの投与例が多い。

アジスロマイシン(AZM)(ジスロマック®)
1日1000mg×1回、もしくは2000mg×1回

クラリスロマイシン(CAM)(クラリス®)
1日200mg×2回、7日間

ミノサイクリン(MINO)(ミノマイシン®)
1日100mg×2回、7日間

治療効果判定

核酸増殖法が確実だが直腸検体は保険適応外であり、治療効果判定には抗原検査を用いたい。

しかし、抗原検査は死菌にも反応するため、すぐではなく3ヶ月以降。

このことから、自覚症状が改善した場合、3ヶ月後以降に内視鏡検査や抗原検査を行い、病原体の陰性化を確認する。

再燃例

複数回もしくは長期治療が必要な難治例が報告されており、再燃例も見られる。

再燃例では、消化管以外のクラミジア感染の除外やパートナーの感染の有無の確認が重要となる。

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