クモ膜下出血の特徴
「バットで殴られたような突然の強い頭痛」が特徴。
頭痛、嘔吐、意識障害が多い。
致死率が高く、迅速な診断・治療が大切。
原因は脳動脈瘤がほとんど。
クモ膜下出血の診断
頭部CTでシルビウス裂の出血(高吸収域)を認める
時間はかかるが、頭部MRIでも評価は可能(FLAIR、T2*)。MRAも行う。
クモ膜下出血の治療
一旦止血しても再出血し悪化することが多いため、再出血予防が大切。
①降圧療法
平均動脈圧>130mmHgの場合、ニカルジピン静注を行う。
例)ニカルジピン塩酸塩 注射液
生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液で希釈し、ニカルジピン塩酸塩として0.01~0.02%(1mL当たり0.1~0.2mg)溶液を点滴静注する。0.5μg/kg/分の速度で投与開始し調整。
血圧上昇を防ぐため十分な鎮痛、鎮静行い、挿管、尿道バルーンカテーテル留置などお行う。
例)フェンタニル 0.03~0.16mL/kg緩徐に静注して導入、0.01~0.1mL/kg/時で維持
例)プロポフォール0.20~0.25mL/kgで導入し、0.4~1.0mL/kg/時で維持。
②治療法
CT angiographyや、MRAなどで脳動脈瘤の位置、出血部位を同定し、血管内コイル塞栓術や、開頭動脈瘤クリッピングなどの治療適応を検討する。
③合併症
重症ではたこつぼ型心筋症など不整脈が合併することがあるので注意する。
頭蓋内圧亢進の対策が必要な場合は、抗脳浮腫療法を行う。
例)濃グリセリン(グリセオール®︎)200mL 1日2~3回 1回30~60分
Cushing潰瘍(胃潰瘍)を合併することがあるのでPPIを投与する。
例)タケプロン注30mg+生食20mL ゆっくり静注 1日2回(要前後生食フラッシュ)
④術後
収縮期血圧は120~160mmHg程度を目標に維持。
SAH発症後4~14日頃に遅発性脳血管攣縮が起きやすく、脳梗塞に至ることもあるため、予防に以下を単独または併用する。
例)ファスジル(エリル®︎)注30mg 1日3回点滴
例)オザグレルNa 80mg/24時間 持続点滴