腎盂腎炎の症状・経過
症状:
発熱、CVAの疼痛・叩打痛、悪心・嘔吐など
女性に多いが、尿道カテーテル留置ありの男性でも起きる。
急激に悪化しショックに至る症例も多いので注意が必要。
腎盂腎炎の検査
- 尿:
一般で白血球陽性、沈渣で白血球5個/HPF以上(膿尿)
- 血液:
白血球、CRPの上昇、重症度評価
- エコー・CT:
複雑性でないか器質的疾患のチェック
- 培養:
治療開始前に必ず血液と尿の培養を提出する
腎盂腎炎の治療
複雑性の場合は、解除可能な原因は可能な限り解除すること。
起炎菌は大腸菌がほとんどだが、ESBL産生やキノロン耐性の大腸菌も増加している。
ほかに、腸球菌はセフェム系無効。カテーテルありなどでは緑膿菌などにも注意。
軽症
初回来院時は単回注射を行い、内服処方する。
急激に悪化することもあるのでこまめにフォローすること。
前回の培養結果などがあればそれを参考に抗菌薬変更すること。
点滴例)セフトリアキソン2g1日1回
内服例)レボフロキサシン500mg1T1× 10~14日間
内服例)セファクロル(ケフラール®︎)250mg 3T3×毎食後 10~14日間
中等症~重症
点滴で加療。培養結果に準じて抗菌薬を変更すること。
期間は10~14日間。
解熱後1、2日してからは感受性を参考に経口薬へ変更可能。
例)セフトリアキソン2g 1日1回(第3世代セフェム)
例)セフメタゾール1g 1日3~4回(ESBL産生大腸菌にも有効なセフェム系)
例)アンピシリン2g 1日4回(グラム陽性球菌で腸球菌想定の場合)
例)セフタジジム2g 1日3回(緑膿菌を想定)
ショックの症例などでは、
例)上記に加えて、ゲンタマイシン5mg/kg 1日1回
例)メロペネム1g 1日3回 など