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専門医•資格

内科専門医 資格認定試験の対策について徹底解説!

総合内科専門医試験対策についてはコチラ↓↓

内科専門医試験の概要と受験資格

内科専門医試験は、日本内科学会が実施する「内科専門医資格認定試験」で、内科専攻医が内科専門医として認定されるための必須試験で、日本の新専門医制度の一環として2021年に第1回が実施されています。

試験は毎年5月に行われており、2024年で第4回目を迎えています。

試験の形式と内容

  • 問題数:合計250問
  • 解答形式:マークシート方式で、解答はPCではなく紙に記入
  • 対象分野:総合内科を含めた10分野(消化器、循環器、呼吸器、腎臓、血液、内分泌・代謝、神経、アレルギー・膠原病、感染症、総合内科)
  • 試験時間:9:00~16:40の1日がかりで、3つの試験時間(各120分)に分かれている
  • 試験時期:毎年5月頃
  • 申し込み時期:毎年1月〜4月頃
  • 合否発表:毎年7月末頃
  • 試験会場:横浜・神戸の2地域
  • 受験料:30,000円(合格後、日本専門医機構から認定を受けるため、別途認定料11,000(税込)が必要)

受験資格

内科専門医試験の受験資格は、日本内科学会の会員であることに加えて、2016年移行に医師免許を取得した場合は「J-OSLER」(専攻医評価システム)で定められた専攻医研修プログラムを履修し、必要な評価レポートを提出していることが条件です。

各専攻医はJ-OSLERに登録され、研修の進捗状況や症例レポートなどが評価される仕組みとなっており、出願にはこのJ-OSLERの評価が重要です。

2015年以前に医師免許を取得した場合は、認定内科医の資格をもっている場合等は病歴要約を免除されるなど、受験資格が分岐するため、内科専門医のホームページで自分がどこに該当するかをしっかり把握することが大切です。

いずれの場合も、出願期間は例年1月下旬から4月中旬までとなっており、期日を守って提出することが求められます。

内科専門医試験のこれまでの合格率

内科専門医試験の合格率は、毎年少しずつ低下傾向にあります。

以下に2021年から2023年までの合格率と合格者数・受験者数を示します。

年度合格率合格者数受験者数
2021年度94.4%1856人1965人
2022年度90.2%2246人2495人
2023年度85.3%2416人2833人
※2024年度の試験は終了していますが合格率がまだ発表されていません。

このように、2021年の94.4%から2023年には85.3%まで下がっていますが、まだ制度ができて間もないため、今後の合格率ははっきりしませんが8〜9割程度になるのではないかと予想されます。

内科専門試験の平均点の推移

全科目合計での平均点の推移を示します。

年度平均点
2021年度73.2
2022年度71.4
2023年度69.3
2024年度74.2

合格するには概ね7割前後を全体で取る必要があることがわかります。

確実な合格には75%以上を目指したいところです。

次に、2021〜2024年度の領域別平均点の推移を示します。

年度消化器循環器内分泌・代謝腎臓呼吸器血液神経アレルギー・膠原病感染症総合内科
2021年度70.678.169.379.378.370.674.974.874.669.8
2022年度67.579.774.780.170.870.971.672.970.366.7
2023年度69.875.266.969.965.975.364.272.675.065.0
2024年度78.168.976.778.386.459.881.674.171.272.2

どの領域も、変動は多少あるもののある程度安定し、領域による偏りもそこまでないためレベルは調整されているようです。

内科専門医試験対策におすすめの教材

内科専門医試験は幅広い分野をカバーするため、効率的な教材選びが合格へのカギとなります。

それぞれの教材ごとに特徴があるため、自分に必要なものに取り組みましょう。

イヤーノート・アトラス・Quick Check

内科専門医試験を受ける頃には、医師国家試験を受けて既に何年も経っており、その時のイヤーノートを使うのはリスキーです。

古い情報で勉強して受験するリスクは当然あるため、全科網羅した最新のイヤーノートはやはり必須でしょう。

インターネットで調べ物をするよりも圧倒的に速く試験に必要な情報を知ることができます。

また、イヤーノートは上記のように必ず必要ですが、それ以外にもお勧めしたい理由に付録の『Quick Check』があります。

これは購入者特典の付録として使えるアプリなのですが、1問1答の問題が各分野ごとに数百問ずつ入っていて、隙間時間に勉強することができます。

ただ、臨床問題はないので、問題集としては以下に紹介する問題集をベースにするほうがいいでしょう。苦手な分野の特訓に使うのがおすすめです。

いずれにしても、受験すると決めたらまず手に入れたほうがいい参考書です。

認定内科医試験・総合内科専門医試験 過去問題集 第一集・第二集

内科学会が発刊している公式の過去問集です。

第2集は2018年の認定内科医試験・総合内科専門医試験を、第1集は2017年の認定内科医試験・総合内科専門医試験の実際の過去問が収録されています。

内科認定医の問題が180−190問ほど、総合内科専門医の問題が140問ほどずつ掲載されています。

実際の問題のレベルを見れる点はいいですが、さすがに古すぎます。

他の新しい問題集に取り組んだ方がいいでしょう。

ただ、実際の問題を見て試験レベルを確認してみたいと思う方は、内科学会のホームページから購入を申し込めますので一応リンクを貼っておきます。

セルフトレーニング問題

セルフトレーニング問題は内科学会が毎年、単位更新や受験資格の一つとして出している問題で、毎年50問の問題があります。

一部の先生たちは内科専門医の受験資格のために最低1回は取り組んでおく必要があります。

実はこのセルフトレーニング問題はup date問題の対策としても、かなり有用です。

内科学会が出したい最近の話題・知識が出題されており、内科専門医試験でも同じところが出題される可能性が高いです

ただ、問題の難易度は総合内科専門医試験と同等レベルで、内科専門医試験の受験対策としてはやや過剰な感じは否めません。

内科専門医試験を受ける先生が毎年セルフトレーニング問題にとりくんで、問題と解答を持っているということは少ないでしょうが、可能なら先輩医師から直近数年分を貸してもらいましょう。。

また、『生涯教育のためのセルフトレーニング問題と解説(第5集)』が、2024年4月10日に内科学会から発売されています。

6年ぶりの発売で、2018年~2022年度のセルフトレーニング問題237題+新作問題91題を含めた計328題が収録されています。

内科学会のホームページから購入することができますので、興味がある方はこちらをご覧ください。

www.naika.or.jp

THE内科専門医問題集1・2・3 Ver.2

発刊日2024年2月と3月にVersion2としてTHE内科専門医問題集がリニューアル出版されており、最新の問題集です。

Ver.2になるにあたり、もともと2冊の分冊から3冊にわけてあるため、もちろん網羅している範囲が広いです。

この問題集は他の問題集と違い、内科専門医試験用となっているので難易度も適切です。

じっくり確実に取り組みたい先生におすすめです。

また、分量自体は多いので、他の問題集で全体を網羅して、苦手な分野がのっている分冊だけこの問題集で実力の底上げをする、というのもオススメの使い方です。

それぞれの分冊に含まれる分野は以下の通りです。

  1. 総合内科・消化器・循環器
  2. 内分泌・代謝・腎臓・呼吸器・血液・神経
  3. アレルギー・膠原病・感染症・救急・集中医療

それぞれの定価:7480円(税込)

「新」内科専門医・総合内科専門医試験対策問題集

2022年7月に発刊された本です。

問題数が100問とほかの問題集よりも少ないですが、解説が他の問題集よりもかなりしっかりしてある本なのです。

各問題に試験の傾向や、その他に出題される可能性のある項目が書いてあり、一つの問題から広く試験対策ができます。

時間がないので問題数が少なくて網羅できる方がいいという場合はこちらの本がおすすめです。

定価:9900円(税込)

The総合内科ドリル

こちらは発刊日2021年3月で、問題数は218問と幅広く網羅されています。

内容は内科系専門医試験のレベルを意識して作られ、解説もしっかり作り込んであります。

本の最後に覚えるべき表などまとめてあり、また、web版もついてくるので、移動中に問題をといて勉強することもできます。

幅広い分野をおさえる必要がある内科専門医試験なので、問題数が多いこちらもおすすめの1冊となります。

定価:7920円(税込)

クエスチョンバンク 総合内科専門医試験予想問題集、内科専門医試験対策オンライン

国試でお世話になったクエスチョンバンクですが、書籍の問題集はvol1が2016年、vol2が2017年に発刊されています。

すでに古く、ほかにいい本が出ているのでおすすめはできません。

現在はオンライン版で1年毎に更新されているので、クエバンがいい人はこちらがいいでしょう。

約500問の問題数で、利用期限は1年間です。

2024-2025年版は2024年11月下旬に発売開始予定です。

以下に2023-2024年版の情報を記載しておきます。

  • 発売日 : 2023年9月1日
  • 利用期限:2024年11月30日
  • 収録問題数:約500問
  • 価格:16,500円(税込)

おすすめの勉強法

ここまでおすすめの教材を紹介してきましたが、結局どれを使ったらいいのか、というのが分かりにくいので、パターンに分けておすすめの勉強法を紹介します。

参考書問題集①問題集②隙間時間
しっかりイヤーノートTHE内科専門医問題集1,2,3セルフトレーニング問題Quick Check
時間ない「新」内科専門医・総合内科専門医試験対策問題集

The総合内科ドリル
THE内科専門医問題集(苦手分野)
もっと時間ない①THE内科専門医問題集(苦手分野)
もっと時間ない②「新」内科専門医・総合内科専門医試験対策問題集

しっかり対策したい人

最新かつ網羅している範囲•量も多い『THE内科専門医問題集1,2,3』でしっかり勉強。

さらに余裕があればセルフトレーニング問題にも取り組んでおくと、かなりの確率で内科専門医試験に合格できるでしょう。

隙間時間にQuick Checkをアプリで行う。

時間がない人

「新」内科専門医・総合内科専門医試験対策問題集』か『The総合内科ドリル』に取り組む。

苦手な領域があれば可能なら『THE内科専門医問題集』の必要な部分だけ網羅する。

隙間時間にQuick Checkをアプリで行う。

もっと時間がない人①

全体的にはある程度できる自信はあるけど、苦手な領域がある場合はその分野の『THE内科専門医問題集』をやる。

隙間時間にQuick Checkをアプリで行う。

もっと時間がない人②

時間はないけど全体的に自信がない場合は、『「新」内科専門医・総合内科専門医試験対策問題集』を使うのがいいでしょう。

一番問題数が少なく全体を網羅することができます。

隙間時間にQuick Checkをアプリで行う。

試験当日の準備と注意点

内科専門医試験は長丁場で集中力が求められるため、事前の準備が欠かせません。

また、当日焦らなくていいように必要物品もきちんと事前に用意しておきましょう。

持ち物

筆記用具

試験はマークシート方式のため、鉛筆を持参する必要があります。

ボールペンではなく、試験に適した鉛筆や消しゴムを準備しましょう。

マークシートを塗るのはマークシート専用シャーペンの方が200問あたり2分半速い(トンボ社による.以下リンク参照)ようなので、揃えておくと万全です。

売ってるお店は少ないのでおすすめのリンクを貼っておきます。

腕時計

会場には時計がないため、自分で試験時間を管理できる腕時計を持参しましょう。

通信機能や計算機能があるものは持ち込み禁止ですので、アナログ時計が推奨されます。

選んだり買いに行く時間がない先生もいるでしょうから、安心のCITIZENで、安いアナログ時計のリンクを貼っておきます。

試験中の時間配分

試験は途中2回の休憩を挟んで、3セクション各120分です。

問題数は全体で250問であり、1問あたり約1分半の時間しかありません。

特に長文の問題は時間がかかるため、解答にスピードが求められます。

悩む問題は飛ばして、解ける問題から解いていく、などの対策を考えておきましょう。

昼食と休憩

試験会場では自席で昼食を取ることが許可されていますが、周辺で購入する時間は限られています。

昼食は事前に準備しておくことをおすすめします。

食べすぎて眠くならないようする、逆に低血糖にならないようにする、など自分に合った昼食や間食を用意しておきましょう。

試験会場近くのコンビニは、遅くいくと弁当が売り切れているかもしれないのでその辺りも気にしておいた方がいいかもしれません。

また、休憩時間はリフレッシュを心がけ、しっかりトイレは済ませておきましょう。

試験後の流れと合格発表

内科専門医試験の合否は、試験後7月末ごろにオンラインで発表されます。

試験合格後には、別途認定料(11,000円)を支払うことで、正式に内科専門医として認定されます。

合格証書は通常、翌年1月頃に正式発行されるため、仮の認定証を受け取るまでに一定の期間がかかる点には注意が必要です。

審査や発行手続きが終わるまでの間は仮認定証が発行されるため、これを利用しながら正式な認定証が届くのを待つ形となります。

まとめ:内科専門医試験に合格しよう!

内科専門医試験は、知識の幅広さと各分野でのバランスを問う難関試験です。

受験勉強は長期戦になりますが、重点を絞った教材の活用や効率的な学習法により、合格ラインに達することが可能です。

また、当日は1日がかりの試験で体力も必要になるため、時間配分や持ち物の準備も怠らないようにしましょう。

試験を終えた後も認定手続きが続くため、手続き期限を意識しておくとスムーズに認定が受けられます。

計画的な準備と実践的な対策を重ねることで、試験に臨む先生方の合格を確実に近づけることができるでしょう。

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