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総合内科専門医試験の対策を徹底解説

総合内科専門医とは?その価値と内科専門医との違い

総合内科専門医は、日本内科学会が認定する専門医資格で、基本的な内科領域をカバーする「内科専門医」の上位に位置づけられています。より複雑な病態の診断や、複数の疾患を併せ持つ患者への全人的なアプローチが求められます。

従来の「認定内科医」制度は2021年をもって新規認定を終了し、新たなキャリアパスは「内科専門医」取得後に「総合内科専門医」を目指す流れへ移行しています。

試験難易度は内科専門医試験より高く、合格率も歴史的に低い傾向にあります。これは、より深い専門知識と各内科領域にまたがる横断的思考力が問われるためです。この資格を取得することは、臨床現場における高い信頼性だけでなく、教育的・指導的な立場への道を開くことにも繋がります。

受験要項の詳細・最新情報は日本内科学会の公式案内ページでご確認ください。

2026年度試験:主要日程・締め切り・ロジスティクス

試験準備の第一歩は、正確なロジスティクスの把握から始まります。特に出願期間は厳格であり、一日でも過ぎると翌年まで受験機会を失うことになります。

項目 詳細
試験日 2026年11月1日(日)
試験時間 9:00〜16:10(予定)
試験会場 横浜、神戸の2地域
出願期間 2026年5月8日(金)〜2026年7月8日(水)23:59(期限厳守)
受験料 30,000円(税込)
合否発表 2027年2月上旬頃(予定)

出願期間は毎年多くの受験希望者が見落としがちなポイントです。カレンダーに登録するなど確実な自己管理が求められます。

総合内科専門医試験の受験資格

総合内科専門医の受験資格は、内科専門医または認定内科医の資格を持つ者が受験できます。

重要なポイントとして、出願時点で**「セルフトレーニング問題2回以上合格」していること**が必須です。これは受験する前の年度までに、60%以上の正答率で2回合格していることが必要となります。

たとえば、2026年度に受験しようと思ったら、2021〜2025年度のなかで2回合格が必要です。

合格できない可能性も考えると、セルフトレーニングの問題は専門医対策でも使えるので、ギリギリの2年分ではなく、少なくとも3年前からは受験しておいた方がいいでしょう。

総合内科専門医試験の申し込み

受験申し込みは日本内科学会のオンライン出願フォームから行われます。手続きは複数のステップに分かれており、個人情報・研修歴の入力、必要書類のアップロード、受験料の支払いまで、すべてを期間内に完了させる必要があります。

受験料は3万円とやや高めの設定です。

すべての入力とアップロードを終え、受験料の支払いが完了すると、「出願手続き完了のお知らせ」といった確認メールが届きます。このメールを受信するまで、出願プロセスは完了していません。

実は、筆者は受験5日前に申し込みが完了してなくて受験できないことに気づいたことがあります。みなさんは同じ轍を踏まないようにお気をつけください。

病歴要約の作成ガイド

病歴要約は、一部の受験者にとっては免除されますが、提出が必要な場合、その評価は筆記試験の成績とは独立して行われます。

病歴要約の評価が「F(不合格)」であった場合、たとえ筆記試験で合格基準を大きく上回る点数を取ったとしても試験全体の結果は「不合格」となります。

提出対象者:免除規定と必須要件

病歴要約の提出が免除されるのは、主に旧制度下で認定内科医資格を取得し特定の条件を満たす「措置的受験」の対象者です。新制度下で内科専門医を取得した受験者は、原則として病歴要約10症例の提出が求められます。

評価される要約の構成:POS方式の理解

病歴要約は、POS(Problem Oriented System)方式で作成することが厳格に定められています。患者が抱える問題をリストアップし(プロブレムリスト)、各問題に対して評価(Assessment)と計画(Plan)を記述していく手法です。プロブレムには“#1,“、”#2,“のように優先順位の高いものから番号を振る必要があります。

高評価を得るための執筆法:セクション別ベストプラクティス

全般的な原則

  • 簡潔性:A4用紙2枚程度にまとめることが推奨されています。要点を的確に伝える能力が問われます。
  • 患者プライバシーの厳守:患者氏名、生年月日、住所などの個人情報は記載してはなりません。紹介元の病院名なども「近医」といった表現に置き換える必要があります。この配慮を怠ると、それだけでF評価となる可能性があります。

各セクションのポイント

  • 既往歴・社会生活歴:疾患に関連する重要な情報は陰性所見であっても記載します。
  • 入院後経過と考察:プロブレムリストに挙げた各プロブレムに対応する形で、診断根拠や治療選択の妥当性を記述します。なぜその治療法を選択したのか、他にどのような選択肢があったのかといった思考過程を示すことが重要です。
  • 総合考察:最も重要なセクションです。単なる症例のまとめに終わらせず、主病名と副病名の関連性、診断・治療プロセス全体の妥当性を客観的に評価します。症例選択の段階で、多角的な考察が可能な症例を選ぶことが高評価への鍵となります。

評価基準とよくある不合格の理由

評価はA(優れている)、B(平均的)、C(合格基準を満たしている)、F(不合格)の4段階で行われます。

F評価となる主な理由は、プライバシー配慮の欠如、論理性の欠如、考察の不足、データや事実の羅列に終始している、などが挙げられます。

総合内科専門医試験の試験内容

試験形式・問題配分・時間管理

区分 内容
総問題数 200問
一般問題 50問
臨床問題 150問
試験時間 各時限110〜120分(朝9時〜夕方)

単純計算では1問あたり3分強の時間が与えられます。長文の臨床問題や複数の選択肢を吟味する必要がある問題を考慮すると、時間管理は極めて重要です。

時限の間の休み時間は、前の時限で出題された分野や関連トピックを素早く見直すための貴重な時間です。集中力の持続も重要なので、休憩と見直しのバランスを計画よく行う必要があります。

知識の範囲と公式の出題典拠

日本内科学会は、出題内容の典拠を公式に示しています:

  1. 標準的内科学教科書
  2. 日本内科学会雑誌
  3. 内科救急診療指針

「標準的内科学教科書」とは特定の書籍を指すわけではなく、医学界で広く認知されている教科書レベルの知識が求められることを意味します。「日本内科学会雑誌」は最新のトピックや学会が重要と考える疾患概念が出題される可能性を示唆しており、セルフトレーニング問題と並行してチェックすることが推奨されます。

公式の典拠として明記されている**「内科救急診療指針」**は、手元に置いておきたい一冊です。

内科救急診療指針2022

内科救急診療指針2022

総合内科専門医試験の合否判定

合否判定は病歴要約と筆記試験の2つで行われます。病歴要約免除の者を除き、どちらも合格する必要があります。

筆記試験の合格基準点は明確にされていませんが、総合得点および各分野得点のどちらでも6割以上をとることが目安になります。

全分野で6割を超える必要があり、得意科目で点数を伸ばすだけでは合格できないため難易度が上がります。

総合内科専門医試験の合格率

年度 合格率 合格者数 受験者数
2011年度 71.7% 329人 459人
2012年度 80.0% 408人 510人
2013年度 77.9% 384人 493人
2014年度 68.2% 2,690人 3,943人
2015年度 62.6% 4,252人 6,787人
2016年度 56.7% 4,381人 7,731人
2017年度 60.0% 4,367人 7,283人
2018年度 72.1% 3,559人 4,936人
2019年度 65.4% 3,551人 5,428人
2022年度 71.85% 3,637人 5,062人
2023年度 87.36% 1,334人 1,527人
2024年度 89.45% 1,688人 1,887人

※2020年度・2021年度は新型コロナ感染症で延期

過去には50%台から70%台で推移することが多く、難関とされていました。しかし2023年度は87.36%、2024年度は89.45%と近年著しく高い合格率を示しています。

この近年の合格率上昇は、受験者層の変化(認定内科医制度からの移行期間など)や試験内容の調整など、複数の要因が考えられます。しかし、この数字を見て「試験が易化した」と考えるのは危険です。

最も賢明な戦略は、過去の平均的な合格率である60%〜70%を想定し、それに対応できるレベルの学力を目指して準備を進めることです。

総合内科専門医試験の対策

学習ツールの構築:主要教材の徹底比較

教材名 種類 価格 特徴 最適な用途
イヤーノート 書籍/アプリ 約26,400円 内科全般を網羅。QuickCheckアプリ付属 全期間を通じた知識確認・辞書的利用
公式過去問題第3集 書籍 7,700円 320題の過去問題 出題レベルの把握
セルフトレーニング問題 冊子/オンライン 約2,000円/年 最新トピックを反映 受験資格確保・最新知識
The総合内科ドリルVer.2 書籍(2分冊) 各7,920円 300問、解説充実。Web版付き 最初に手をつける問題集
「新」内科専門医・総合内科専門医試験対策問題集 書籍 9,900円 100問、解説が丁寧 時間がない受験者の要点押さえ
THE内科専門医問題集Ver.2 書籍(3分冊) 各7,480円 網羅性が高い 学習初期〜中期
CareNeTV 動画講義 月額5,500円 専門医による講義 苦手分野の克服・ながら学習

イヤーノート・Quick Check

総合内科専門医試験を受ける頃には、医師国家試験時に使用したイヤーノートは古くなっているため、全科網羅した最新版は必須です。

インターネットで調べ物をするよりも圧倒的に速く試験に必要な情報を知ることができます。

また、付録の**『Quick Check』**アプリも強力な理由の一つです。購入者特典として使えるアプリで、1問1答の問題が各分野ごとに数百問ずつ入っており、隙間時間に勉強できます。ただし臨床問題はないので、問題集としては以下に紹介する問題集をベースにするほうがいいです。苦手な分野の特訓に使うのがおすすめです。

受験すると決めたらまず手に入れたい参考書です。

イヤーノート 2026

イヤーノート 2026(メディックメディア)

認定内科医試験・総合内科専門医試験 過去問題集 第3集

内科学会が発刊している過去問で、2026年3月に発売されています。第3集は2021年度と2022年度の内科専門医試験から188題、2019年度と2022年度の総合内科専門医試験から132題、計320題の過去問題が掲載されています。

最新の問題ではないですが、唯一の公式な過去問であり、実際の出題レベルを把握するために必携の一冊といえます。アマゾンなどでは売っておらず、内科学会のホームページから購入を申し込めます。

公式購入ページはこちら

セルフトレーニング問題

受験資格確保のためにも、up-to-date問題の対策としても必須の問題集です。内科学会が出したい最近の話題・知識が出題されており、総合内科専門医試験でも同じところが出題される可能性が高いため、確実にやっておく必要があります。

難易度は総合内科専門医試験と同等レベルです。最低でも直近数年分はやっておいた方がいいです。

さらに、『生涯教育のためのセルフトレーニング問題と解説(第5集)』が2024年4月10日に発売されています。6年ぶりの発売で、2018年〜2022年度のセルフトレーニング問題237題+新作問題91題を含めた計328題が収録されています。

購入・詳細はこちら

The総合内科ドリル Ver.2

2025年7月発刊で、問題数はVer.1の218問から300問へとvolume upされています。内容は総合内科専門医試験のレベルを意識して作られ、解説もしっかり作り込んであります。本の最後に覚えるべき表などまとめてあり、Web版も付属。

最新かつ問題数が多い現在最もおすすめの問題集です。

  • 1冊目:総合内科・消化器・循環器・内分泌・代謝・腎臓
  • 2冊目:呼吸器・血液・神経・アレルギー・膠原病および類縁疾患・感染症・救急

それぞれの定価:7,920円(税込)

THE総合内科ドリル (Ver.2) 1

THE総合内科ドリル (Ver.2) 1 WEB版付
総合内科・消化器・循環器・内分泌・代謝・腎臓(医学書院)

THE総合内科ドリル (Ver.2) 2

THE総合内科ドリル (Ver.2) 2 WEB版付
呼吸器・血液・神経・アレルギー・膠原病および類縁疾患・感染症・救急(医学書院)

「新」内科専門医・総合内科専門医試験対策問題集

2022年7月に発刊された問題集です。問題数が100問とほかの問題集よりも少ないですが、解説が他の問題集よりもかなりしっかりしてある本なので、参考書がわりに1冊目として取り組むのもいいと思います。

各問題に試験の傾向や、その他に出題される可能性のある項目が書いてあり、一つの問題から広く試験対策ができます。

問題数が少ないので、時間がない人や、最後にもう一つ別の教材で確認したい人におすすめの問題集です。

定価:9,900円(税込)

「新」内科専門医・総合内科専門医試験対策問題集

試験のあとも残しておきたい「新」内科専門医・総合内科専門医試験対策問題集

THE内科専門医問題集 Ver.2(1・2・3)

2024年2月〜3月にVer.2としてリニューアル出版されました。もともと2分冊だったものが3分冊になり、網羅している範囲がさらに広くなっています。

この問題集は総合内科専門医用ではなく内科専門医用です。苦手な分野が入っている分冊だけ購入して実力を底上げするのもおすすめの使い方です。

  1. 総合内科・消化器・循環器
  2. 内分泌・代謝・腎臓・呼吸器・血液・神経
  3. アレルギー・膠原病・感染症・救急・集中医療

それぞれの定価:7,480円(税込)

THE内科専門医問題集Ver.2 1

THE内科専門医問題集Ver.2 1 WEB版付
総合内科I・II・III・消化器・循環器(医学書院)

THE内科専門医問題集Ver.2 2

THE内科専門医問題集Ver.2 2 WEB版付
内分泌・代謝・腎臓・呼吸器・血液・神経(医学書院)

THE内科専門医問題集Ver.2 3

THE内科専門医問題集Ver.2 3 WEB版付
アレルギー・膠原病・感染症・救急・集中治療(医学書院)

CareNeTV

月額5,500円で学習動画が見放題になります。総合内科専門医試験の対策講座があり、「出るズバッ!」シリーズなどが人気です。

通勤中などの「ながら学習」に最適で、スライドをGoodNotes5のアプリに貼って書き込むことで自分だけの教科書を作ることができます。

スライドを撮りながら聞き流す学習法は、総合内科専門医試験対策に非常に有効です。

CareNeTVの総合内科専門医試験対策はこちら

段階的学習プラン:開始時期別ロードマップ

多くの調査では、4ヶ月以上前から始める医師が約3割、最も多いボリュームゾーンである2〜3ヶ月前が約4割、1〜2ヶ月前からが約3割という結果が示されています。

【王道プラン】4ヶ月以上前から始める場合

第1フェーズ:基礎固めと全体像の把握(最初の2ヶ月)

目標:内科全般の知識を網羅的に見直し、自身の弱点分野を正確に把握する。

アクション:「The総合内科ドリル Ver.2」のような網羅性の高い問題集を1周解き、全体像を掴みます。間違えた問題や理解が曖昧な箇所は、都度「イヤーノート」で周辺知識も含めて徹底的に確認・復習します。

第2フェーズ:弱点克服と知識の深化(3ヶ月目)

目標:弱点分野を重点的に強化し、得意分野に転換する。

アクション:「セルフトレーニング問題」の第5集と直近年度の問題を解きます。理解しにくい病態生理や最新の試験対策は「CareNeTV」の講義動画を視聴し、理解を深めます。

第3フェーズ:実践演習と直前対策(最終月)

目標:最新の出題傾向を掴み、本番での時間配分に慣れる。

アクション:問題のやり直しで知識を固め、オンライン模試を最低1回受験します。残りの時間は「Quick Check」アプリで最終確認を繰り返します。

【標準プラン】2〜3ヶ月前から始める場合

最も多くの受験者が選択するプランです。平日は2〜4時間、休日は8時間程度の勉強時間を確保することが目標です。

第1フェーズ(最初の1ヶ月):主要な問題集をスピード重視で1周。完璧に理解できなくても立ち止まらずに進めます。通勤中などのスキマ時間に「Quick Check」アプリを習慣化します。

第2フェーズ(2ヶ月目):間違えた問題を徹底的に解き直し、直近3年分のセルフトレーニング問題に着手して最新知識をインプットします。

第3フェーズ(最後の数週間):問題のやり直しで知識を固め、模試で本番感覚を養います。

【短期集中プラン】1ヶ月前から始める場合

非常に厳しいスケジュールですが、戦略を徹底することで合格の可能性はあります。

最優先教材:直近3〜5年分の「セルフトレーニング問題」と「Quick Check」アプリのみに絞ります。少し余裕がある場合は、問題数が100問と最も少ない「「新」内科専門医・総合内科専門医試験対策問題集」で苦手分野を確認するのもいいです。

目標:「セルフトレーニング問題」と「Quick Check」の内容であれば、どの問題が出ても即答できるレベルまで反復練習を繰り返します。

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