めまいの種類からの鑑別
回転性めまい vertigo | ぐるぐる | 末梢性 中耳性 | 良性発作性頭位変換性めまい(BPPV) メニエール病 前庭神経炎 突発性難聴など |
中枢性 | 脳梗塞・出血 TIA 椎骨脳低動脈解離 脳腫瘍など |
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動揺性めまい dizziness | ふらふら | 脳梗塞・出血・ TIA 脳腫瘍 高齢 発熱 貧血 うつ病など精神疾患 甲状腺機能低下症など |
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前失神 presyncope | 眼前暗黒感 血の気がひく | 心原性(不整脈、弁膜症、虚血性心疾患) 神経調節性(迷走神経反射,状況失神など) 起立性(貧血,脱水,自律神経障害) など |
末梢性か中枢性か
蝸牛症状 (耳鳴,難聴,耳閉感) | 眼振 | 安静後の持続時間 | 他症状 | |
末梢性 | 疾患による* | 一方向 | 数十秒以内 | 強い嘔気 |
中枢性 | なし | 両方向 垂直眼振は橋病変疑い | 長時間持続 | マヒ 意識障害 |
*メニエールや突発性難聴でみられ、めまいより蝸牛症状がメインなら突発性難聴が疑わしい。
*BPPVや前庭神経炎は蝸牛症状なし。頭位誘発性ではBPPV、非頭位誘発では前庭神経炎が多い。
※中枢性を否定できない時は必ず頭部CT/MRIをおこなう。初日にMRIで梗塞所見でないことあり、持続する場合は翌日も再検。
BPPV(良性発作性頭位変換性めまい)
耳石の浮遊によるめまいで、加齢とともにふえる。
回転性目眩の中で最多。蝸牛症状はなし。
安静ですぐめまいは一旦落ち着くが、頭を動かすと再発する。
BPPVにはEpley法(エプリー法)が有効(1回で70%、2回すると90%)。
①ベッドに足を伸ばして座り、頭を右(左)側に45度向ける。
②頭の角度はそのままで、頭がベッドからはみ出すように仰向けになり、眼振が出れば右(左)が患側。
③めまいが治ったら頭を左(右)側45度向けて2分待つ。
④そのまま左側臥位にし、顔は床を向かせて2分待つ。
⑤頭と体の角度を保ったまま、足をベッドの左側に降ろして座り、頭を下に15度ほどうつむくように傾ける(左肩を見るイメージ)。
めまいの治療
①めまい
点滴なら
例)炭酸水素ナトリウム(メイロン®︎)20~40mL静注
経口なら
例)ベタヒスチンメシル酸塩(メリスロン®︎)12mg 3T3×毎食後
例)アデノシン3リン酸2ナトリウム水和物(アデホスコーワ®︎)10%180mg 3×毎食後
②嘔気
例)メトクロプロミド(プリンペラン®︎)10mg+1号液200mL
不安を伴う場合は、アタラックスPも有効。
例)ヒドロキシジン塩酸塩(アタラックスP®︎)25mg+1号液200mL