狭心症
冠動脈の動脈硬化等により血流が低下し発症する。胸部症状が増悪、頻度が増えたなどあれば不安定狭心症が疑われ、すぐに循環器化へ紹介が必要。
冠動脈が攣縮して起こるものを冠攣縮性狭心症という。
症状:
胸部圧迫感、肩痛、歯痛、腹痛など様々あり。糖尿病があると症状が出にくく注意が必要。
夜間~早朝の安静時や過呼吸で出現する場合は冠攣縮性狭心症の可能性が高い。
安定狭心症の診断
①有症状時
狭心症であればST低下などの所見が認められる。以前の心電図があれば必ず変化をみること。
有症状時に心電図がとれれば診断に有用だが、タイミングが難しい。
取れた場合は、ニトロなどで症状改善した後の心電図もとって比較すること。
また、ニトロ投与によって症状が速やかに改善するかもチェックすること。
②運動負荷心電図
デュークトレッドミルスコア(DTS)を用いる。
DTS=運動時間(分) ー 5 ×( 最大ST下降mm )ー4 ×( 負荷中に狭心症症状なし0 点,症状あり1点,運動中止2点)
−11点以下:高リスク→冠動脈造影
−10~4点:中程度リスク→冠動脈CT and/or 負荷心筋シンチ
5点以上:低リスク→経過観察
運動負荷心電図が行えない場合→冠動脈CT and/or 負荷心筋シンチ
安定狭心症の治療
高血圧・脂質異常症・糖尿病の治療を適切に行う。
発作時のためにニトロを渡しておく。
例)ニトログリセリン(ニトロペン®︎)0.3mg1T1×舌下時
必要に応じてPCI/CABGを行う。
ステント留置後は抗血小板薬2剤併用が必要だが、併用期間は短縮傾向にあり、1剤へ減量する時期については循環器科から指示をもらうこと。
冠攣縮性狭心症の診断
夜間~早朝の安静時や、過呼吸で出現する、Ca拮抗薬で抑制されるなどあれば冠攣縮性狭心症を疑い、ホルター心電図をとる。
必要であれば、心臓カテーテル検査による冠攣縮薬物誘発試験などを行う。
冠攣縮性狭心症の治療
Ca拮抗薬が第一選択薬。Ca拮抗薬で効果不十分の場合は硝酸薬を併用する。
Ca拮抗薬)ニフェジピンCR(アダラートCR®︎)20mg1T1×朝食後
硝酸薬)ニコランジル(シグマート®︎)5mg3T3×毎食後
発作時のためにニトロを渡しておく。
例)ニトログリセリン(ニトロペン®︎)0.3mg1T1×舌下時