大動脈弁狭窄症の原因と病態
ASの原因:
加齢性が大半で、他にリウマチ性や二尖弁などの先天性がある。
最近は動脈硬化性疾患は関係ないとされている。
ASの予後:
慢性的な左室の圧負荷がかかり左心不全にいたる。
心不全や失神、胸痛などの自覚症状がでると平均余命は2〜3年
大動脈弁狭窄症の身体所見
胸部聴診:
2RSB最強点の収縮期駆出性雑音で、頸部に放散する。
大動脈弁狭窄症の重症度分類
心エコー等検査で以下を測定する。
軽症 | 中等症 | 重症 | |
AVA(cm2) | >1.5 | 1.0~1.5 | <1.0 |
AVAI(cm2/m2) | >0.85 | 0.60~0.85 | <0.6 |
Vmax(m/秒) | 2.6~2.9 | 3.0~3.9 | ≧4.0 |
mPG(mmHg) | <20 | 20~39 | ≧40 |
AVA:大動脈弁口面積、AVAI:AVA index(AVA÷体表面積)、Vmax:最大血流速度(大動脈弁)、mPG:平均圧較差
大動脈弁狭窄症の管理・フォロー
・高血圧:
正常血圧のASと比べると虚血性心疾患に56%なりやすく、死亡率も2倍になるので適切に降圧する(Hypertension 2012; 60: 90-97.)。ただし、過度な降圧にも注意。
・フォロー(胸写・心エコー・BNPなど):
軽症→3〜5年
中等症→1〜2年
重症→6ヶ月〜1年
重症ASの手術適応
重症ASではSAVR(外科的弁置換)、TAVI(経費的大動脈弁置換術)を検討する。