体重減少の鑑別
①意図した減量?
・ダイエット
・神経性食欲不振症
②食欲はあるが痩せる
・甲状腺機能亢進症
・糖尿病
・吸収不良症候群(慢性膵炎、胃切除後、乳糖不耐症など)
・歯科的問題(口内炎、味覚障害、入れ歯トラブルなど)
・嚥下機能低下
③食欲がない
・悪性腫瘍
・うつ病
・認知症、老衰
・アルコール依存症
・逆流性食道炎など消化管疾患
・心不全やCOPDなどの進行
・感染症
・電解質異常(高Ca、低Naなど)
体重減少の検査
①うつや認知症、アルコール依存症をスクリーニングする
②歯科的な問題がないか
③一般検査
<全例で検討する検査>
・血液検査(血算・生化学一般、アナリーゼ、CRP、TSH・FT4、HbA1c)
・尿検査
・胸部Xp
<追加検査>
・腹部エコー
・胃カメラ
・便潜血/大腸カメラ
・他に疑われる疾患に対して検査追加
体重減少に対する対応
①客観的なデータとして体重の記録をとってもらう
②原因に対してアプローチ
・神経性食思不振症・うつ病→精神科・心療内科へ紹介を検討
・甲状腺機能亢進症→ホルモンコントロール
・慢性膵炎→パンクレリパーゼ(リパクレオン®︎)顆粒1800mg3×毎食直後
・胃切除後→分食
・乳糖不耐症→原因物質の摂取減量
・歯科的トラブル→歯科受診
・嚥下機能低下→食事形態の検討、嚥下機能訓練(ST依頼)
③るい痩やるい痩に近い状態になるなら、間食をとる、食事を頻回にする、栄養補助食品(エンシュアHなど)を併用するなど行う。
例)エンシュアH250mL(375k cal)※適応には注意
食欲自体がない場合は以下薬剤も検討。
例)モサプリド(ガスモチン®︎)5mg3T3×毎食後 (蠕動亢進)
例)スルピリド(ドグマチール®︎)50mg1T1×就寝前
例)ツムラ六君子湯7.5g3×毎食前(蠕動亢進、食欲増加)
例)ツムラ人参養栄湯7.5g3×毎食前(食欲増加、認知症などに)
例)ツムラ補中益気湯7.5g3×毎食前(食欲増加、疲れたうつ病に)