胆のう腺筋腫症(adenomyomatosis of the gallblader:ADM)とは
加齢などの影響で胆嚢壁内にRAS(Rokitansky-Aschoff sinus)が増生し、壁肥厚や壁内結石を認める良性疾患。癌との鑑別が重要。
症状:
症状はないことが多いが腹痛を伴うこともある。胆石を伴い有症状かすることも。
胆嚢腺筋腫症の検査
エコー:
限局性またはびまん性壁肥厚、commet like echo、肥厚した壁内にRAS(小嚢胞様構造)
MRCP:
pearl neckless sign(RASが連なって真珠の首飾りのようにみえる)
造影CT:
壁内結石描出が得意。癌の鑑別が必要な時に有用。
胆嚢腺筋腫症の形態分類と癌
底部型、分節型、びまん型の3つで、頻度は底部型>分節型>びまん型。分節型と限局型の混性型もある。
ADMの約3~4%程度に胆嚢癌が合併する(特に分節型)が、癌との関与はエビデンスが乏しい。
胆嚢腺筋腫症の経過観察
初回から6ヶ月後に再検し、変化がなければ年1回の経過観察。エコーが第一選択。
胆嚢腺筋腫症の手術適応
有症状は手術適応。
無症状では、①分節型+胆嚢結石、②充満結石は予防的に相対的手術適応。
胆嚢癌を否定できない場合も手術適応。