カルシウム(Ca):尿について
カルシウム(Ca)は体内での多くの生理機能を担い、そのほとんどが骨や歯に存在します。血中Caの調節は副甲状腺ホルモン(PTH)、カルシトニン、活性型ビタミンDによって行われ、これにより腸での吸収、骨からの解放、腎での再吸収が調整されます。血清中Caの約半分はイオン化形態で存在し、残りはアルブミンに結合しています。低Ca血症はPTHやビタミンDの不足、腎機能障害から起こり、高Ca血症はPTHの過剰分泌や骨の破壊から生じることがあります。これらの病状の診断には、血液と尿中のCa測定が重要で、適切な治療のためにはこれらのデータが必須です。
カルシウム(Ca):尿の基準値
基準値:0.10~0.30g/day
カルシウム(Ca):尿: 増加
【代謝・内分泌】原発性副甲状腺機能亢進症, 甲状腺機能亢進症, ビタミンD中毒, 先天性高Ca尿症, 特発性高Ca尿症
【感染症】サルコイドーシス
【その他】悪性腫瘍, アシドーシス, 高蛋白食摂取
カルシウム(Ca):尿: 減少
【腎臓】慢性腎臓病
【代謝・内分泌】副甲状腺機能低下症, ビタミンD欠乏症, カルシウム摂取不足, リン摂取過剰
【その他】サイアザイド利尿剤投与, リチウム長期投与, アルカローシス