過活動膀胱の症状
頻尿、尿意切迫感、切迫性尿失禁など。
男性の場合、前立腺肥大症がベースにあることが多いので、除外すること(併存することも多い)。
神経疾患に合併することや、加齢も原因となる。
過活動膀胱の診断
①OABSSスコア
OABSSスコアで診断・重症度判定を行う。
診断)合計3点以上(質問3が2点以上は必須)
重症度)
軽症:~5点
中等症:6~11点
重症:12点~
②検尿
尿路感染症の有無などをチェック。
③腹部エコー
膀胱癌など器質的な疾患がないかをチェック。
排尿後の残尿量のチェック。
過活動膀胱の治療
①膀胱訓練
膀胱炎などがないことを確認した上で、排尿間隔を15分ずつなどのばし、2~3時間まで排尿時間を伸ばしていく。
また、過剰な水分やカフェイン、アルコールの摂取は間隔を短くするため避けるよう指導する。
②前立腺肥大症の治療
男性の場合は前立腺肥大症を合併していることも多く、まずはそちらの治療を行うこと(先にOABの治療を行うと排尿困難をきたすことがある)。
改善がとぼしければ③を検討する。
③薬物療法
抗コリン薬やβ3アドレナリン受容体作動薬が使用される。
抗コリン薬(ムスリカリン受容体拮抗薬)は膀胱の収縮を抑え、尿意を抑える。副作用は口渇・便秘などあり、閉塞隅角緑内障には禁忌。
β3アドレナリン受容体作動薬は蓄尿時の膀胱拡張を促進させ、尿意をおさえる。抗コリン作用がないため副作用は少ないといわれている。
いずれも残尿量が増加するリスクあり、残尿量のフォローが必要である。
抗コリン薬例)
ソリフェナシン(ベシケア®︎)5mg 1T1×朝食後
β3アドレナリン受容体作動薬例)
ミラベグロン(ベタニス®︎)50mg1T1×朝食後
④骨盤底筋訓練
特に女性では腹圧性尿失禁を合併していることもあり、骨盤底筋訓練が有効であり指導する。